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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年5月28日

 1993〜96年の聖市市長、パウロ・マルフ下議が横領した金の一部が聖市に払い戻される事になった。設計士でもあるマルフ氏は、渋滞解消のための立体交差を増やさんと各所に高架橋を造るなど大型工事を展開した人物だが、土木工事は公金横領が起き易い▼後任のセルソ・ピッタ元市長は初の黒人市長ともてはやされながら、不正が明るみに出、人望を失ったまま他界した。一方、マルフ氏は、汚職に手を染め、聖市市民に甚大な損失をもたらした事が明らかになってもなお政治家としての歩みが続いているのだから驚く▼払い戻されるのは横領したとされる3億5千万ドルの一部で、英国王室属領のジャージー島の裁判所が同島の銀行に振り込まれた金の返却を命じ、その一部が24日に英国にある聖市側の弁護士の口座に振り込まれた。今日にでも聖市の口座に転送される金は、100万ポンド(330万レアル)とも145万ポンド(450万レアル)ともいわれているが、これは同島が差し押さえた株や現金、その他の資産2億ドルのほんの一部▼聖市内には同氏の母の名前を冠した大通りもあり、後世まで名前が残る人物の一人たりえた。だが、その綻びは次々に破れ、世界中に分散させた資産は各地で差し押さえを食っている▼昨年のメンサロン裁判など、政治家にも法の手が及ぶようになったかと思わされる昨今だけに、一時は甘い汁を吸って私腹を肥やしても、悪事はいつか明るみに出、責任を取る時が来る一例だと思いたい▼当時から「盗むけど仕事もする」との言葉があったのだから、公金横領は皆が知っていた事実のはずだが。(み)

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