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コラム 樹海

2006年12月13日付け

 今月初め、モンゴル出身の大相撲力士安馬のことを紙上で話題にした。話題にしたくなるような二十二歳の若者だからだ。日本人力士にはない力士としての〃要素〃をたっぷり持っている▼安馬だけでなく、大相撲は外国人力士抜きには語れない状況になっている。来年の初場所は、関取(幕内、十両力士)七十人のうち、十七人が外国人となる。約四人に一人である。十七人は比較的短年月にのし上がってきた、力と技さらに根性の持ち主だけに、全員が強い▼今年最後の九州場所後、十両への昇進が認められた若の鵬(ロシア出身、十八歳)、白馬(モンゴル出身、二十三歳)は、初場所では目が離せない有望株だ▼日本人力士は、ごく一部の「叩き上げ」を除けば、ほとんどが学生相撲出身。高校時代から「逸材」といわれ、進学して大学の相撲部で揉まれ、全国的なアマ大会で優勝すれば、幕下付出しで大相撲入りする。つまり、日本人としては選ばれた人材たちである。だが、外国人に比較すると、どこか物足りない。体格ではない。身体能力は違うとされるが、最後は、相撲に対する意欲が問題といわれる▼外国人は、協会規約により、現在、大相撲に入門できるのは一部屋あたり一人だが、その一人が厳選されているのである。プロで成功しようとする気持ちの固まりのような力士ばかりだ。ブラジル出身者は日系であっても外国人枠である。孝東、魁聖らは叩き上げの部類に入る。「注目される外国人」になってほしいものだ。(神)

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