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さよならペペ

 お隣りウルグアイのホセ・ムヒカ大統領(79)が3月1日に任期満了し、65%もの支持率を保ったまま退任した。大統領公邸に住まず、首都モンテビデオ郊外の質素な自宅から1987年製の青いフスカで仕事に通った▼貧乏な家庭に生まれ、60年代に都市ゲリラ組織に入り治安当局と対決。数々の襲撃や誘拐工作に関わり、6発の銃弾をくらい、4度逮捕され2度脱獄した。72年の逮捕後は13年近く収監された革命闘士という経歴を持つ。ブラジル大統領も元闘士だが、金に関する考え方は大分異なる▼ムヒカ氏は給与の大半を財団に寄付し、月に1千ドル余りで生活し「世界で一番貧乏な大統領」と呼ばれた。ごく普通の家の庭に鶏が放し飼いにされ、可愛い子犬がジャージ姿の〃ペペ〃(大統領の愛称)を追う写真が有名だ▼口が悪いことでも知られ、昨年のサッカーW杯で同国代表のスアレス選手が噛みつき事件を起こし、厳しすぎる罰を下された時《FIFAは売春婦を親に持つ悪党ジジイの集まりだ》と悪態をついた▼彼は〃貧乏大統領〃と云われる度に《私は貧乏なのではなく、質実なだけ。荷物が軽いのだ。自分が自由であるために充分なものをもって生きている》と答え、「政治家は国民の大多数と同じように生活すべきであり、少数派(=富裕層)のようであってはいけない」との信条を度々口にしている▼昨年11月にはアラブの富豪から100万ドル(約1憶1600万円)で愛車(時価2800ドル)を売らないかと打診され、拒否して話題を呼んだ。近々公表予定のペトロロン汚職に関わったブラジル政治家に、その爪の垢を煎じて飲ませたいものだ。(深)

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