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〃赦しの日〃が承認待ち=大田サンパウロ市議が活動報告

ニッケイ新聞 2013年6月7日

 昨年の地方統一選で、6万2693票を獲得し7位で当選した大田正高サンパウロ市議(PSD)が先月末に来社し、就任後5カ月の活動報告を行った。
 同氏の最初のプロジェクトは、息子のイビス君(当時8歳)が殺害された8月30日を、市の「赦しの日」(Dia Mundial de Perdao)」と定める法案の提出だ。既に議会では先月17日に可決され、フェルナンド・ハダジ市長の承認を待っている状態だという。
 「年に一日、全ての被害者を慰めるとともに、サンパウロ市民に暴力事件について考えてもらう機会を作りたかった」と話す。同様の取り組みを、サンパウロ市にとどまらず州内の他の都市から全国に広げ、最終的には「全国赦しの日」を設定したいという。
 同氏は妻の大田慶子連邦下議とともに、刑法の適応年齢を16歳まで引き下げる運動を展開している。未成年者の犯罪が急増している現状を指し、「法律が彼らを守っている限り、犯罪に巻き込まれる子供の数は減らない。彼らが犯罪者の手に落ちないよう、どうしても法律を変える必要がある」と訴えた。
 また、大田氏は借金や職員のストなどが原因で8年閉鎖されていたサンパウロ市東部の「ビラ・カロン病院」の再開を、選挙時の公約に掲げていた。
 「自分も住人だが、あの地区の保健医療は全く整備されていない。住民は病院がないせいで、タゥトゥアペなど近隣の病院まで通っている状態」と指摘した。
 もともと私立だった同病院はカサビ政権時代の昨年5月、市による運営が宣言されていたが、現在は、同病院の運営が現政権の保健政策に含まれるための署名を集めている段階だ。目標は百万人の市民の署名を集めることだという。
 大田氏はサンパウロ市ビラ・カロン区在住で、沖縄県那覇市生まれ。2歳で両親とともに渡伯している。

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