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「ブラジルよ、ありがとう」=戦後移住60周年で表彰=36の功労個人団体に=日本祭り開幕会場に500人

ニッケイ新聞 2013年7月20日

 1953年、日本人移住が再開されてから今年で60年目を迎え、ブラジル日本都道府県人会連合会主催の「第16回日本祭り」が幕開けした19日午前、会場のサンパウロ市イミグランテス会場にあるホールで、「ブラジル日本 戦後移住60周年祭」が開かれた。主役の戦後移住者を中心に、日系団体や当地の日本政府関連機関、日系企業などの代表者が500人集まり、節目の式典を祝った。

 「ブラジルの素晴らしい発展における二世、三世を含めた日系人の活躍は誰もが認めるところ」。開会挨拶をした川合昭実行委員長は式典の趣旨をこう説明し、「これは通過点。次なる豊穣の時代に、日系人の力を信じて大発展を期待したい」と締めくくった。
 当日は、今年からミナス州ジャナウーバ市長に就任した戦後移民にして〃バナナ王〃山田勇次さんの農園や、セラード開発で有名なミナス州サンゴタルド、欧州向け果物生産で有名なバイーア州ジュアゼイロやペルナンブッコ州ペトロリーナを含め、ブラジル発展に貢献した36の個人や企業、日系団体などに、州議会からの記念プレートが贈られた。
 州政府を代表して挨拶した羽藤ジョージサンパウロ州議会副議長(PMDB)は、「日系人であることが幸せ。日本人の誇りを持ってほしい」とたたえた。
 式典に出席した宮城県の若生正博副知事は、東日本大震災から2年4カ月経った現在の被災地の状況を伝え、新潟県の泉田裕彦知事は戦後移住者の貢献を強調し、「日本は長いデフレ経済からようやく脱却できる見通し。皆さんのふるさとの発展を誓う」と呼びかけた。国際協力機構(JICA)の黒柳俊之理事も祝辞をのべた。
 コロニアでおなじみの歌手井上祐見さんは、「ソウ・ジャポネーザ」「笠戸丸」の2曲を熱唱し、市川利雄県連副会長の挨拶と「ビーバ!バンザイ」の声が会場を盛り上げて終了した。
 表彰された団体の一つでアマゾナス州エフィジェニオ・サーレス移住地の養鶏場「グランジャ宮本」を代表し、プレートを受け取った宮本民知男さん(41、二世)は取材に対し、「恥ずかしいですね」と笑い、現在も同養鶏場で活躍する一世、二世の様子を流暢な日本語で説明した。

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