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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年7月27日

 先の参院選は「自民圧勝、民主大敗」で終わり「アベノミクス」が国民から御墨付きを頂戴し安倍政権にとっては万万歳となった。首相は、憲法改正に前向きであり集団的自衛権の行使や武器三原則の廃止にも意欲的な取り組みをしており、革新勢力からは「右傾化」と批判される。だが、今回の選挙で有権者は—こうした首相の政治姿勢を支持した▼一方の民主党は、結党以来の大惨敗を喫した。これは失政を重ねた民主党への怒りの声と理解したい。鳩山元首相の幼稚園児なみの放言もだし、菅元首相の参院選での分裂行動に対し民主党は除名をも視野にし今や混迷の極にある。もう、これでは健全な政党の姿とは遠い。あの権力亡者のような小沢一郎氏も、この選挙では全敗。地元の岩手県でも敗北であり、全盛の頃の威力は、もう消えた▼みどりの風の谷岡郁子代表も落選し、政界引退を表明。院外団から政界入りし首相の座に近づくほどの実力を誇った故・大野伴睦氏は「落選すれば只の人」と喝破したが、それほどに政界の現実は厳しい。党人派で政界寝業師の異名を持つ故・川島正次郎氏には「政界一寸先は闇」の名言があり、先の選挙では元閣僚らも議席を失い「闇」に追い込まれた政治家もかなりいる▼これほどに政界の動きは複雑でカオスの如きであり、さながら有為転変の世界の様相を呈している。昨日の覇者も、今日は廃残の身に陥落するという危うさを秘めながらの日々の活動であり、政治家の胸中は晴天ばかりではなく、暗鬱な日も多い。こんな数多くの貴重な教訓を置き土産にしての参院選の死闘と熱戦であった。(遯)

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