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焼津・日系人母子殺害事件=逃亡中のネーヴェス容疑者=ミナス州で身柄を拘束

ニッケイ新聞 2013年8月17日

 静岡県焼津市で2006年12月、日系人母子3人を殺害した直後に帰伯逃亡した疑いで国際指名手配され、ブラジル国内で逃亡していたエジウソン・ドネゼッテ・ネーヴェス容疑者(50)が15日午後、潜伏していたミナス州最南部コレゴ・ド・ボンジェズス市の農園で連邦警察に身柄を拘束された。「日本の警察に最も捜索されていた男が捕まった」という見出しで16日付フォーリャ紙、15日、16日配信の各ニュースサイトが報じた。
 同容疑者は逮捕時、他人名義のクレジットカードを所持しており、窃盗の疑いでも調べられる。警察によれば発見時に同容疑者は抵抗しなかったといい、サンパウロ市の連邦警察に移送され、拘留される見込み。
 ネーヴェス被告は交際相手だったソニア・アパレシーダ・ミサキ・サンパイオさん(当時41)、長男ヒロアキ君(同15)、次男ヒロユキ君(同10)の3人の首を絞めて殺害し、犯行の翌日にブラジルに逃亡したとみられている。
 当地報道によれば、帰伯後に同容疑者は国内に潜伏していたが2008年1月にサンパウロ州サルタイアー市で逮捕された。日本政府による国外犯処罰(代理処罰)の要請で同年2月にサンパウロ市で最初の陪審裁判を受けたが、「国外での犯行のため裁判は連邦裁判所の管轄」と判断され、半年後にいったん釈放されていた。
 2009年5月にその判断が覆され、一般の裁判所で裁かれる事件とされたが、釈放された同被告は行方をくらませていた。2010年2月にサンパウロ州ジャンジーラ市で運転免許証の更新手続きをしていたことが分かっている。サンパウロ州交通局(Detran)によれば免許証更新申請時、被告が指名手配犯だという記録が局内のデータベースになく、身分証明書の番号(RG)が偽装されていたために摘発を免れたという。
 ジョルナル・オ・グローボの報道によれば、同容疑者は犯行について「正当防衛だった」と主張しており、殺害したソニアさんに貸していた20万ドルの返済を求めたさい拳銃で脅されたために殺害したなどと話しているという。
 グローボ・サイトの16日配信記事では、「ブラジル人であるため日本に強制送還はされない。懲役90年の刑を受ける可能性があり、30年を獄中で過ごせば残りは条件付保釈されこともありうる。ただし、日本なら死刑の可能性がある」と大きく報じられた。

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