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ポルト・アレグレ=日本祭がコロニアを一つに=6団体共催、4万人弱動員=市の公式行事にも正式に認可=18日は「日本移民の日」に

ニッケイ新聞 2013年8月22日

 ポルト・アレグレ日本文化協会(菅野和寿会長)を中心に同地域の日系6団体が共催する『第2回ポルト・アレグレ日本祭り』が17、18日の両日、市内軍警学校で開かれた。日本舞踊や武道の演舞、カラオケなどが披露されたほか、同会場内体育館では、アニメイベント『ANIME・BUZZ』も開催。非日系を中心に初開催の昨年を大きく上回る3万8千人(主催者発表)を動員した。実行委員長を務めた菅野会長は「まさにコロニアを一つにするイベント。大勢の来場も嬉しいが、皆が協力して祭りを作り上げたことに意味がある」と満足げに語った。

 実質的に文協の単独開催だった昨年から運営体制が変更され、南日伯援護協会、同地商工会議所、ポルト・アレグレ青年会、ポルト・アレグレ婦人会、南大河州老人会の6団体が関わる共催体制で開催された。
 第2回となる今回から同市の公式行事として登録された。昨年から市議会を通して検討されていた8月18日を「日本移民の日」とする案件も今年1月に正式に承認。今後は同日に最も近い週末が開催日となる。
 初日にあった開会式には、在ポ・アレグレ出張駐在官事務所の後藤猛領事や軍警関係者が来賓として出席し、菅野会長らも加わって鏡割りが行われた。
 会場には共催団体などによるバンカが出店された。中でも婦人会は、手作りのお守り風小物や貼り絵などを販売、初日だけで800レアルを売り上げた。手作り小物の教室を主宰し、制作の指導に当たった福家ユリアさん(82、二世)は「買っていくのはほとんどがブラジル人。皆が一生懸命作ったものが売れるのは嬉しい」と満足げな表情。1人で20近い貼り絵作品を制作した樋渡悦子さん(88、宮城)に話を聞くと「元気の秘訣。一日中熱中しちゃう」と笑顔で話した。
 そのほか書道作品や盆栽などの展示は、興味深げに写真を撮る非日系の姿が多く見られた。合気道、剣道などの演舞も大きな関心を呼んでいた。
 特設ステージで好評を博したのは、サンパウロ州タウバテを拠点に活動する「海藤三味太鼓」のショー。和太鼓、三味線の迫力満点の演奏に会場は大きな歓声に包まれた。
 「彼らのショーは本当に素晴らしかった」と興奮した面持ちで語ったのは、ルアナ・マシェルさん。生後2カ月のヒカリちゃんと来場した非日系で同市在住の夫ジョナス・マシェルさん(27)は「僕も太鼓の指導経験があるけれど、彼らの演奏は本当に凄い。ここではなかなか本格的なステージを見ることが出来ないだけに、本当に感動した」。
 菅野会長とともに開催に尽力した援協の森口幸雄会長は「遠くは500キロ離れたウルグアイアーナからも手伝いに参加してくれるなど、遠方のコロニアも積極的に参画してくれた」と語るとともに、「全部合わせても3千人足らずしか日系がいない街で、これだけの人たちを動員し、日本文化との出会いの場を提供できたことは誇らしい」と胸を張った。

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