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移住者協会=USP日本庭園、再贈呈式=今後の継続的管理が課題に

修復された日本庭園

修復された日本庭園

 【既報関連】ブラジル・ニッポン移住者協会(杓田美代子会長)が修復作業を進めていたサンパウロ州立総合大学(USP)校内にある日本庭園の再贈呈式が、先月29日午前に催された。日系団体や大学関係者ら100人近くが出席した。
 故・下元健吉氏が初代会長を務めたサンパウロ花卉園芸同好会が造園し、67年に来伯された皇太子同妃両殿下(今上天皇皇后両陛下)のご臨席のもとで開園されたが、管理が行き届かず荒廃が進んでいた。
 戦後移住50周年の03年に大規模な手入れが行われたものの、それ以降も再び放置されていた。昨年が開園50周年であったことから、同会が昨年6月から整備に着手。110周年の節目に埋もれていた日系社会の遺産が見事に蘇った。
 今年4月には、コチア青年連絡協議会の有志により棟門を新設。修復された池にはイビラプエラ公園日本館から寄贈された錦鯉10匹を放流、新たに4本の日本松の苗木も植えられ、再贈呈日を迎えた。
 大本教の藤井剛三氏、秋山昌廣氏の両導師による儀式の後、挨拶した杓田会長は「今日の日を迎えられたのは、一重に皆様のご協力があったからこそ」と謝意を滲ませ、「日本文化を取り入れた行事を企画し、日本庭園の管理を支援したい。庭木の剪定に協力してくれる若者も育てていければ」と期待を語った。
 昨年6月から修復作業にあたってきた吉田大希知さん(45、二世)によれば「当初は庭の石も枯葉や泥に埋もれて見えないほど。庭園の体裁を成していなかった」という。父・欣司さんと二人三脚で作業してきたが、欣司さんは再贈呈式を見届けることなく、今年3月に急逝した。
 再贈呈式前日まで、抜かりなく隅々まで手入れしてきたという大希知さんは「父も今日の日を喜んでいるはず」と天を見上げ、「日本庭園はUSPのなかでも殆んど知られてこなかった。この修復をきっかけとして人々が集う場となり、庭園を守ってゆく方向に繋がれば」と見通した。


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 USPのホームページ(http://www.puspc.usp.br/jardim-japones-na-cuaso/)では、再贈呈された同園について紹介し始めた。そのほか、大学都市内には日本庭園の場所を示す道路標識を新たに設置するなど、大学側も庭園の広報に協力し始めている。毎週土曜日の午前中には一般向けに開放されており、池にいる錦鯉や亀に餌をやることもできる。ちょうど庭園内の桜も開花し始め、そろそろ見頃を迎えそうだ。花見がてらに同園に散歩に出かけてみては?

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