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「愛される施設」目指し=スザノイペランジャホーム30周年=節目の年を市関係者らと祝い=イッペー祭も好評博す

ニッケイ新聞 2013年8月29日

 サンパウロ日伯援護協会「スザノ・イペランジャホーム」(中田和夫運営委員長)は25日、創設30周年を祝う記念式典を同施設体育館で開いた。同市のトクズミ・パウロ市長や市議らも参加し、集まった多くの関係者らとともに節目の年を祝った。挨拶に立った中田運営委員長は「ブラジルの平均寿命も延び、益々高齢者支援の対策が重要となってくる中、当ホームの存在価値も高まってくる。30周年を契機に、皆様に愛されるホーム作りを目指したい」と力強く語った。

 スザノ市で養鶏を営んでいた内谷忠雄氏(故人)が、1982年に所有する6万平方米の土地を援協に寄贈したことを契機に、翌83年1月16日に約20人の入園者を迎え開園した。
 2000年代初頭、日本財団の支援を受け施設を一新し、受け入れ可能人数を30人まで拡張、07年にはさらに改築が加えられた。現在は31人の高齢者が暮らす。
 式典には、スザノ市関係者のほか、エステヴァン・ガルヴォン・デ・オリベイラ、羽藤ジョージの両州議、在サンパウロ日本国総領事館の成田強領事部長らが来賓として出席し、祝辞を述べた。
 続いて行われた記念表彰では、中田運営委員長、菊地会長から、ホームへの功労者・団体、歴代ホーム長、歴代運営委員長、優良職員に賞状と記念品が贈られた。
 賞状を手に感慨深げな表情を浮かべていたのは、1994年から06年までホーム長を務めた福島庄太郎さん(75、埼玉)。当初5年間は体育館もなく、敷地内に残されていた鶏舎をイベント会場として利用するなど苦労もあったという。それでも「自分にとって〃本当の仕事〃だった。素晴らしい12年間を送れたことに感謝している」と笑顔で話した。
 ホーム入園から15年を数える利用者の1人、中田勝之さん(88、熊本)も「ここは自然も多く、季節によって景色も変わる素晴らしいところで、のんびり楽しい時間を過ごせている。こういった施設が長く続いているのは凄く良いこと」と節目を喜んだ。
 式典後には『第29回イッペー祭』も開かれ、ステージで和太鼓の演奏やカラオケなどのショーが行われたほか、屋外では日本料理やカキ氷などが販売され、来場者を楽しませた。

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