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ニッケイ新聞 2013年9月20日

 無医地域に医師を国費派遣するマイス・メジコス計画に応募する伯人医師が全然足りないとの報道に接し、「この国に赤ひげ先生はいないのか」と以前書いた。ところが嬉しいことに南伯には日系の先生がいると本紙11日付に掲載された▼南伯文化援護協会が毎年行なう巡回診療の森口エミリオ医師らだ。南部2州3千キロを移動し、最後にサンタカタリーナ州ラーモス移住地に立ち寄った時の話だった。同医師が客員教授をする横浜市大医学部からも参加しており、日伯協力型マイス・メジコスみたいだ▼エミリオ医師は患者の悩みや家庭内の問題まで聞き取った後で処置を決める。ある移住地では、血液検査で前立腺特異抗原の数値が高い人がおり、同医師はエコー検査の指示を出した。そのエコー写真には現地病院の専門医所見として「異常なし」と書かれてあった▼しかしエミリオ医師は生体検査の必要性を伝えた。本人は自覚症状が全くないので最後まで「何で自分が…」と渋っていたが、しぶしぶポルト・アレグレで生体検査した結果、前立腺ガンだと判明し、摘出手術を受けて助かったこともあったと聞く▼ラーモスでの巡回診療は連日深夜まで行なわれ、そんな医師団と援協スタッフへの感謝の気持ちを表すため、移住地の婦人らが食事などを競い合うように準備した▼しばしば零度以下になる真冬の同地だけに最終日の朝、会員が自宅の露天風呂を用意して先生に入ってもらい、風呂上りにはワインと自家製のオツマミ各種、特産の梨を食べてもらった。心づくしのお礼に医師団らも大喜びだったとか。そんな細やかな心の交流が移住地の醍醐味だ。(深)

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