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受け継がれる「共生」の心=こどものその創立55周年=園生らも活躍、盛況博す

ニッケイ新聞 2013年9月24日

 社会福祉法人こどものその(谷口ジョゼ理事長)は22日、聖市イタケーラ区の日系クラブ会館で『創立55周年式典』を開き、節目の年を祝った。在聖日本国総領事館の佐野浩明首席領事、羽藤ジョージ州議ら日系議員が出席したほか、同施設と姉妹提携を結ぶ長崎県の社会福祉法人山陰会・普賢学園の本田弘平理事長代理も日本から駆けつけた。

 千葉県に本部を置く淑徳大学の学祖、長谷川良信氏によって開教された南米浄土宗日伯寺内に、1958年に設けられた特別養護治療教育部が前身。翌年3月に、養鶏業を営んでいた井口吉三郎氏により寄贈されたイタケーラ区の約2アルケールの敷地に移転し改称された。現在は40代以上を中心に計80人が入所する。
 式典に先駆け、同施設本部で仏式での先没者慰霊法要が行われた。2代目園長である西本尊方さんの甥で、日本の佛教大学講師の田中マルコス・杜若寺随身、日伯寺の稲場ペドロ主任開教使が導師を務め、園生を含む参列者が焼香し、先人らに思いを馳せた。
 会場を移して開かれた式典では、谷口理事長から地域住民や支援者に対する感謝の言葉が述べられた。祝辞に立った佐野首席領事は「社会福祉活動を進めて行くことが非常に困難なこの時代において、素晴らしい仕事を続けている。資金援助といった形で協力できていることは日本政府としても誇らしい」と関係者らを讃えた。
 式典には80人の園生も出席。式の冒頭で、10年に渡って同施設を訪問する歌手に中平マリコさんとともに園歌を合唱したほか、手製のマラカスを使った「上を向いて歩こう」の合奏、太鼓の演舞など大車輪の活躍を見せ、会場を盛り上げた。
 式典後には昼食会が開かれ、出席者らは和やかに懇親を深めた。
 壇上での挨拶では「良信先生が『一緒に彼らと生きて行こう』と話されたことが強く胸に残っている」と目に涙を浮かべて話した鈴木康夫さん(79、茨城)は、40年以上に渡って役員を務めてきた。「まだ幼かった子が体調を崩し、背中におぶって自転車で病院に連れて行ったこともあった。まるで昨日のことのよう。彼らの多くがここを実家以上に『自分の家』と感じてくれていることが一番の喜び」と笑顔で語った。
 土地を寄贈した井口氏の息子で、開園当初から理事を務め5代目理事長としても活躍した井口信さん(76、二世)も「当初は鬱蒼としたユーカリ林の中に、小さな古い家屋と物置小屋があるだけだった。良信先生が掲げた『共生(ともいき)』という精神が受け継がれ、今日まで成長し続けてきたことは何より嬉しい」と感慨深げに話した。

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