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「両国の信頼関係強めたい」=駐日ブラジル大使が交代=アンドレ・アラーニャ氏=ビザ問題解決に意欲

ニッケイ新聞 2013年10月3日

 マルコス・ガルヴォン駐日ブラジル大使が任期を終え、新大使として外務省環境・特別問題局長のアンドレ・アラーニャ・コレイア・ド・ラーゴ氏が就任する。上院の審議で8月21日に承認された新大使は今週中にブラジルを出発、10月18日から任務に就く。今後ますます関係強化が目指される日伯間のキーパーソンの一人としてその手腕が期待されるアラーニャ新大使に、両国間の課題、今後の意気込みを聞いた。

 「ビザの件については労働省とも話をしている。ブロクラシアの壁があってはならない」—。先月27日、本紙ポ語版の電話取材で新大使は、両国間のビザ問題について言及し、解決への意識が高いことをうかがわせた。
 これまで数回日本に足を運び、就任にあたり三輪昭駐伯大使、日系連邦議員らと話をして日本についての理解に務めたという新大使は、「日本のことは関心を持ってみている」と言う。特に感心している点として国民の生活、交通等を含めたサービスの質の高さ、高齢者への敬いの精神などを挙げ、「日本の道を一歩歩くたびに、新たな課題に気付かされる」と例えた。
 「ブラジルと日本はより信頼関係を強固にする必要がある。他のどの国とも、ポルトガルの間にもここまでの関係はない。この信頼関係は人によって作られたもので、それはとても困難なこと」と今後の両国関係の発展に期待を示し、移民の貢献についても触れた。
 在日ブラジル人コミュニティの問題については「把握している」として、「進歩はあったが、教育などまだまだ改善すべき点はたくさんある」とコメント。「日本語能力については」と問われると、「日本語はとても複雑だが、基礎のレベルは習得する努力をしたい」と意欲的だ。個人的には、日本の料理と建築に興味があるという。
 アラーニャ新大使は財務相、法相、駐米伯大使など要職を歴任した政治家・オズワルド・アラーニャ氏(1894—1960)の孫。リオ連邦大学経済学部を卒業後、外務省に入省した。昨年6月にあった「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」では同省エネルギー局長として、ブラジル側の実務レベルのトップとして各国との交渉に当たった。既婚、4人の子供がいる。
 現大使のマルコス・ガルヴォン氏は、ロベルト・アゼべード世界貿易機関(WTO、本部ジュネーブ)事務局長の後任として、同機関担当大使任する。

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