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文協総合美術展が開催中=林敏子さん美展金賞に輝く=多彩な作品約300点展示

ニッケイ新聞 2013年10月23日

 ブラジル日本文化福祉協会の美術委員会(小田エルザ委員長)が主催する『第7回総合美術展』が始まった。19日、大講堂で行なわれた開幕式には約500人が出席し、絵画、彫刻、版画など多彩な作品をじっくりと鑑賞した。27日まで。
 現代画、具象画(美展)、工芸の3カテゴリーに166人が427点を応募した。そこから選ばれた148人の298作品が展示され、33人の芸術家が表彰された。仁井樹美、近藤敏、豊田豊、金子謙一各氏ら、日系画家らが中心となって審査を行なった。
 開会式で呉屋晴美・文協副会長は、「多くの非日系と共有するこの美術展は、多文化共生の場」とあいさつ。小田委員長は「体力がある限り、この仕事をしていきたい」と熱く語った。
 来賓らの挨拶に続いて行なわれた表彰式では、各部門11人に金、銀、銅、奨励賞が贈られ、会場からはさかんに歓声や拍手が飛んだ。
 受賞者の大半が非日系を占める中、美展部門では子ども移民だった林敏子さん(66、東京、帰化人)が「夜明け」(O amanhecer)で金賞を獲得した。「小さい頃から絵が好きだった」という林さんは、サンパウロ美術大学を卒業、子どもがある程度手を離れた40歳で絵を再開した。「芸術は尽きることがない。子育てに追われて実現できなかった夢が、やっとかなった。本当は写実が好きなので、これからは自然を追求したい」と幸せそうな笑みを浮かべた。
 砂古友久美術委員は「昨日までパネルの準備が大変だった」と安堵の表情で会場を見渡し、「今年は、例年よりレベルが高い作品が多かった」と話した。
 同美術展は、日系画家グループ「聖美会」による展示会に始まる。10数年前は現代美術展と具象展が別々に行われていたが、2007年、豊田豊委員長の時代に統合された。工芸展も加わり3カテゴリーに拡大したことで、より多くの芸術家に門戸が開かれるようになった。

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