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大竹富江さんに文化勲章=ブラジルの文化形成に寄与=会場総立ちで万雷の拍手=今月百歳「いつ死んでも満足」

ニッケイ新聞 2013年11月8日

メダルを手にする富江さん。孫のロドリーゴさんと

 今月21日で百歳を迎える芸術家・大竹富江さん(99、京都、帰化人)が、文化の日にあたる5日、サンパウロ市イビラプエラ講堂で文化庁から「文化勲章」(Ordem do Merito Cultural)を受賞した。歌手のエラズモ・カルロス、女優のバルバラ・パス、作家のルーベン・ブラガなどブラジルの文化発展・普及に寄与した著名人ら37人(団体含む)が名を連ね、大竹さんと昨年逝去したオスカー・ニーマイヤーは特別賞の栄誉に輝いた。二人が手がけた講堂でマルタ・スプレシー文化大臣からメダルを受け取った富江さんに、会場は総立ちでその夜最大の拍手を浴びせた。

 文化勲章は連邦政府の文化関係における最高勲章で、芸術、文学、劇、シネマ、音楽など幅広い分野から、当地の文化発展・普及に寄与した人々に贈られる。1995年創設。これまでに個人500人以上、60の団体・施設が受賞した。3階級ある中、富江さんは2006年に第2階級のコメンダドールを受賞しており、今回グラン・クルスに昇級した。
 式典にはジュッカ・フェレイラサンパウロ市文化局長とマルセロ・アラウージョサンパウロ州文化局長も出席。マルタ大臣は「文化勲章は、文化庁が主催する最大のイベント」と勲章の重要性を強調し、二人の特別受章者に「ブラジルのイデンチダーデ形成に寄与した」との賞賛を贈った。
 富江さんが同大臣からメダルを受け取ると、会場には割れんばかりの拍手が響いた。孫の大竹エリーザさんは仲間と共に、身体言語を使った「生命力」の研究を発表し、祖母への祝福をとした。
 式典後、富江さんは本紙の取材に対し、「自分が百歳になるなんて考えもしなかった。一番良かったのは、この年になっても仕事ができること。健康もあるけど、意力があったからこそ。これからやってみたいこと? もうありません。いつ死んでも満足」と達観した様子で語った。
 長年富江さんのアシスタントをつとめる吉沢太さん(49、埼玉)は、「日本生まれ、日本育ちのアーティストがブラジルを代表する作家の一人として活躍されてきたことを日本人として誇りに思う。このようなアーティストがいることを、より多くの日本の方々に知って頂きたい」と敬意を込めて語った。

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