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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年11月14日

 先週のグローボTV局のニュースで「ブラジルでは年間20万人の失踪者がいる」と聞いて驚いた。毎年、都市が一つ忽然と消えているに等しい数字だ▼過去のグローボ報道を調べると、昨年9月にも「ブラジルの失踪者数は警告に値する」とのニュースがあり、20万人のうち4万人が子供だとあった。失踪者の家族の「警察で失踪届けを出しても、ただ『待て』と言われるだけ…」という虚しい声の一方、警察は「失踪者の80%は見つかっている」とコメントしていた。人間関係や借金などを理由に一時的に行方を眩ますのが大半だが、4万人は失踪したままという▼かつてデカセギ全盛期には「ちょっとパダリアに煙草を買いに行ってくる」と言って、日本に働きに行き、留守家族から失踪届けを出されるケースが問題視された▼またノベーラになった「スペインで踊り子の仕事」と偽って連れていかれ、実際は売春婦をさせられる「人身売買」事件も頻発している▼米国の場合、非営利団体、全米行方不明・被搾取児童センター(NCMEC)は、なんと「90万人」と発表している。ブラジルより4倍半も多い。人口規模が1・5倍強だとはいえ、治安状況を考えれば異常な多さだ。やはり「失踪者の8人に1人は売春ための身売り」だという▼意外なことに日本でも年間失踪者数は約8万人(09年)もいる。通常88%が発見されるが、12%は行方不明のままだとか。あの日本で1万人近い人が毎年失踪するというのは、一体どういうことなのか▼日本でそれだけ居なくなるのであれば、ブラジルの4万人はむしろ少ないのかも。といって胸をなでおろす気にはなれないが…。(深)

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