ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

大統領選=PTがネットでカンポス攻撃=「おだてられた愚か者」など=「臆病者の攻撃」と反論も=ルーラも恐れる対抗馬に

ニッケイ新聞 2014年1月10日

ジウマ大統領の労働者党(PT)と、今年の大統領選での出馬が有力視されるエドゥアルド・カンポス氏のブラジル社会党(PSB)が、ネット上で批判の応酬を行い、早くも前哨戦と話題を呼んでいる。8~9日付エスタード紙が報じている。

7日、PTは党運営のフェイスブックで、「エドゥアルド・カンポスに捧げるバラード」という投稿を行なった。

その投稿はPTとの連立を解消して大統領選に臨むことを批判するもので、カンポス氏は「〝PTを葬る男〟とマス・メディアにおだてられたプレイボーイ」とし、「大統領になるために政治的にPTとかけ離れた方向に向かおうとするとは、ばか者だ」と罵った。

同氏への批判は、「ペルナンブーコ州知事としてのカンポス氏の成功はルーラやジウマの助けがあってのもの」「具体的な公約もないままの立候補」と続いた。また、同氏と組んで副大統領(もしくは大統領)候補として大統領選に臨むと見られているマリーナ・シウヴァ氏、カンポス氏の祖父で元ペルナンブーコ州知事のミゲル・アラエス氏への批判もあった。

この投稿は、PTの副党首であるアルベルト・カンタリス氏の承認を得て掲載されているが、同氏は、投稿は「党のフェイスブック管理チームによるものだ」として、具体的な投稿者名を明かさなかった。

これに対しカンポス氏は8日、「犬は吠えるが、隊商は進む」というアラビアのことわざ(「邪魔をしようとする者がいても進まなければならない」の意)との言葉を自身のフェイスブックに掲載した。さらに同氏は「PTの批判は臆病者の攻撃に過ぎない」とも逆批判も行なった。

今回のPTの行為は、大統領選での対カンポス氏対策の一環との見方が強い。PTの見方としては、決選投票になった場合、ジウマ大統領の相手がアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)の方が「組み易し」で、公開討論での攻撃で対処可能だととらえているが、相手がカンポス氏の場合はなかなか手強いため、ネットを利用した事前の批判が必要だと判断したと思われる。

PTがカンポス氏を警戒していることは、カンポス氏が昨年、大統領選出馬を前提にPSBが占めていた連立内閣の二つの大臣職を引き上げる際、ルーラ前大統領がカンポス氏引止めを試みたことでも明らかだ。前大統領は「14年の大統領選出馬をあきらめ、18年の選挙まで待ってくれたら、PTが連立党としてカンポス氏当選を支援する」と説得したが、物別れに終わっている。

ルーラ氏の行動に対し、PSB下院リーダーのベット・アルブケルケ氏は「私がPTウイルスの解毒剤役になり、カンポス氏にPTを信用しないように言った」と語っている。アルブケルケ氏はさらに「PTが(カンポス氏に対して)焦っているのは明らかなことだ」とも語っている。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button