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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2014年4月5日

 ブラジル人の週末の楽しみといえば、ショッピング散策。コラム子も気まぐれに行きはするが、不当な高さに買う気が失せる。特に洋服だと日本で買ったほうが生地も縫製もしっかりしているし、値段も安い。そんな理由をつけ、家人の誘いから逃げていたのだが、安い店が開いたというので重い腰を上げた▼モルンビーショッピングセンターに3月にオープンした『フォーエバー21』だ(4日付け3面詳細)。日本全国に店舗があり、安くてファッション性も高く、若い世代に人気のアパレルメーカーだとか▼大行列にまず驚いた。ゆうに1時間は待った後、試着、支払いにそれぞれ1時間。最初の1週間で5千人が訪れたという。そんなことに付き合うつもりは一切なく、一人のんびり本屋でくつろいだ。しかし、これだけ待たされても行くのは、ブランド力もさることながら、その値段だろう▼安いイメージのZARA(スペイン)は現地生産もしているのに、ゆうに日本の数倍はする。ところが「フォーエバー21」では、同じ商品がアメリカや日本より安かったりするようだ。税金、人件費の高いブラジルでどうやってこの値段ができるか不思議だ▼メディアもこの点が関心事のようで、徹底した経費削減や経営を紹介しているが、はてさて。すでにリオに2店目をオープン。2015年までには20店舗を開設するらしい。これから繊維業界にどんな影響を及ぼすのか、楽しみだ。さて、このショッピングセンター、在住日本人の間で、長くユニクロが進出するのでは、と長く囁かれていたのだが…。どうやら、うわさだけに終わりそうだ。(剛)

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