ホーム | 日系社会ニュース | 日本祭り・郷土食ブース=(下)=「来年も!」と若手の声=目を細める古参会員ら

日本祭り・郷土食ブース=(下)=「来年も!」と若手の声=目を細める古参会員ら

 愛知は味噌串カツと味噌煮込みうどんで郷土の味を表現。特製味噌をつけた串カツは、肉好きな非日系にも大好評だった。小松ジェニー元会長は「味噌汁などがブラジル人にも広く知られたおかげ。中には味噌をつけずに食べる人もいるけど、肉自体にも味噌味を付けてあるんです。愛知の人には邪道だと思われるけどね」と工夫も明かした。
 また、カニ足付きの豊川稲荷弁当(30レ)も好評だった。市営市場で仕入れたカニの足を2本ずつつけた所、大人気。小松さんは「値段は少し高めだったけど、土曜は午前のうちに売り切れた。変わったものを求める来場者が多くなってきたのでは」と予想した。
 広島は、広島風お好み焼きを22レで販売。とんかつソースをお好み焼き用にアレンジした。バンカでは20人が忙しく鉄板と向きあう。キャベツは金曜の夕方から婦人部総出で大型80個を千切りにしたという。石井公男理事は「今日はコッパ(W杯)の影響もあって、人出は昨年の土曜日より少ないかな」と周囲を見渡したが、「売れ行きは好調ですよ」と微笑んだ。
 「三陸わかめうどん」を販売した岩手県人会は、今夏の水不足で馴染みの製麺所が営業を停止したため、うどんの調達に苦労したそうだ。千田曠曉会長は「売れ行きは順調。開催できたのは、若い人の協力のおかげ。売り上げの一部を何かの形で還元したい」と若者の活躍に顔をほころばせた。
 チキン南蛮串を千本用意した宮崎県人会は、県費留学で本場の味を知る青年部20人が主体となって運営。柔らかいモモ肉のから揚げに、手作りのタルタルソースがぴったりマッチ。クリスチャーネ・紘美・田代さん(25、三世)は「嫌になるほど鳥肉を切った」と苦笑いしながらも、「県費留学で知り合った皆と会えるのは、日本祭りだけだからね」と楽しそうだった。
 鶏の被り物をして客寄せを行った桐野リカルドさん(30、二世)も「先輩たちの活動のおかげで県人会が続いている。評判もいいので来年もやりたい」と意気込みを語った。

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