ホーム | 日系社会ニュース | ■ひとマチ点描■「世界に家族がいるみたい」=古謝敦子さん(42、沖縄県嘉手納町)

■ひとマチ点描■「世界に家族がいるみたい」=古謝敦子さん(42、沖縄県嘉手納町)

 南麻州カンポ・グランデであった沖縄県民入植百周年記念式典に、母県から訪れたウチナーンチュの一人。「世界に家族がいるみたい。『ちむぐくる』は私たちの誇り」と声を弾ませる。
 2011年、JICAの派遣制度でボリビアのオキナワ第一日ボ学校に赴任した。「移民たちから、カンポ・グランデでご飯を食べ、勇気と元気をもらってボリビアに行ったと聞いた。ウチナーンチュは世話になったら忘れず、折に触れて語り伝える」と話す。
 そんな〃語り部〃の一人である古謝さんは、「南米の子達が自分のルーツを知るきっかけにもなれば」と、08年度の嘉手納町費留学生・松本カリーナ紗登美さん(三世)、NGO沖縄センターの金城さつきさんと絵本『リリアン沖縄へ行く Lilian vai a Okinawa』(日ポ両語)を共同制作、母県の教育機関や県人会に配布した。勤務する読谷村立喜名小学校では、移民をテーマに授業も行なう。
 30枚ほどの絵葉書をかばんから取り出し、「ブラジルから暑中見舞いを投函するの。外国から届くと嬉しいでしょう」と笑う。小さなウチナーンチュのはじける笑顔が浮かんだ。 (阿)

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