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ホテルから撮ったリマの町並み
ホテルから撮ったリマの町並み

県連ふるさと巡り ペルー=115年経て受け継がれる日系魂=(1)=南米有数の大都市リマへ=雨の降らない灰色の街

 第42回となった今回の県連ふるさと巡りは、様々な古代文明が花開いた神秘の国ペルー共和国を巡る旅だった。実に20年ぶりとなった訪秘(秘=ペルー)には88人が参加し、先月末から約1週間かけ、首都リマ、バランカや、ペルー日本人移民の発祥の地カニエテ等を訪れた。日系人口わずか10万人、内3万人はデカセギで不在といわれる同国だが、訪問者一同が例外なくその活発さや、立派な施設の数々に目を見張った。世代を超えても受け継がれる日系魂の鍵はどこにあるのか―。知られざる隣国の日系社会を覗いてみた。(児島阿佐美記者)

 「ペルーがこんなに寒いと思わなかった。サンパウロと同じくらいと聞いていたのに」。9月26日に到着したグループは、思わぬ寒さに肩をすぼめ口々にそう呟いた。
 飛行機から降りると、霧に覆われた不機嫌そうな灰色の空が広がった。リマでは、太陽が顔を出すのはほぼ夏の間だけ。それ以外の季節は一日中薄暗く、5月頃は「インカの涙」と呼ばれる霧雨が街をぬらす。
 緯度的にはバイア州のサルバドールに近いが、ペルー海流の影響で最暖月でも20度をわずかに超える程度と肌寒い。
 現地ガイドのベアトリスに案内されバスへと乗り込むと、「いつも曇っているから、ペルー人は太陽が大好きなの」と、小太りな体を旅行会社の征服に詰め込んで、大きな目を更に見開いて言った。「最後に雨が降ったのは1970年。もう町中が浸水して大混乱だった。リマは世界で2つ目の、砂漠に作られた街なの」との説明には、あちこちから驚きの声が上がった。
 鉱物資源の輸出拡大に伴い、年間9%の安定成長を続けているペルー。沿岸部の首都リマは南米有数の大都市で、総人口3081万人のおよそ3分の1を占める約850万人が集住する。
 賑やかな商業施設が立ち並ぶ大通りは、交通量も多ければ人々の運転も荒い。頻繁に起こる割り込み運転には冷や冷やさせられる。「最低でも年に1回は壁を塗り替えないといけない」ほど大気汚染も深刻という。空が灰色なのは、霧のせいだけではないようだ。
 「一番多いのはトヨタ車。でも、ほとんどはブラジル産。ペルーでは税金がかからないから、ブラジルより40%も安くで買えるの」。自国産の車が他国の方が安価とは理不尽な話だが、それがブラジルの現実だ。
 町中には選挙ポスターがベタベタ、ところ狭しと貼られている。そこには藤森アルベルト元大統領の娘、藤森恵子の名前もあった。前回僅差で負けた雪辱を晴らすべく、大統領選への出馬を表明している。
 現地人の反感を買うまいと目立たぬよう生きてきた日系人たちは、父アルベルトの立候補には複雑な思いがあったというが、彼女の出馬は日系社会の目に、どう写っているのだろうか。

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