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記念誌を手にする矢崎さん
記念誌を手にする矢崎さん

アリアンサ80年誌刊行=異色の移住史をポ語で

 サンパウロ州ミランドポリス市のアリアンサ移住地の歴史を綴った『アリアンサ移住地創設八十周年』(同移住地80周年委員会編纂)のポ語版『80 ANOS DE HISTORIA』(464頁、A4判)が、9年の歳月を経てこのほど上梓された。一冊70レアル。
 日本力行会の永田稠やジャーナリストの輪湖俊午郎らが中心となって長野県に信濃海外協会を設立し、民間主導で組合方式によって拓かれた初の大規模移住地だ。第2、第3と拡大するアリアンサの成功ぶりが日本で波紋を呼び、移住地建設ブームに火をつけ、ブラ拓による移住地バストス、チエテ、アサイ建設に繋がる端緒となった。
 大正デモクラシーの時代背景そのままに、まるで銀座をブラブラしているような資産のあるインテリ階級がピアノや蓄音機を持参して入植したことから、〃銀ブラ移民〃と呼ばれた異色の移住地だった。
 そんな村の創設にまつわる前史を含む「歴史編」、移住地の教育や文芸活動をまとめた「文化編」、開拓当初からの「回顧録編」、写真を中心とした「資料編」の4部構成。80周年にして初めて作られた同移住地の統合史だ。日語版刊行から2年弱を経て刊行に至った。
 当初から記念誌編纂に携わってきた矢崎正勝さんは、「20数人いた編纂委員は皆高齢で、亡くなったり体調を崩したりとご苦労された。90周年が目前になったが完成でき、肩の荷が下りた」と安堵した様子で語った。
 購入希望は矢崎さん(電話=18・3708・1247、メール=yazakimasa@yahoo.co.jp)まで。

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