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持ち寄りが美味いところは活動が盛ん

 コロニアを取材して回る中で気付いた持論の一つに「持ち寄りが美味いところは活動が盛ん」がある。先日もレジストロ農協婦人部の「勉強会」に取材に行き、昼食は「一品持ち寄り」だった。珍しいワラビの煮付けやカラシ蓮根、リベイラ地方特産のププーニャのサラダなど10数種類ありそれぞれ実に美味しかった。食生活のレベルの高さと日伯のバランスの良さを感じさせる品があった▼以前、沖縄県人会サントアンドレー支部の新年会に行ったときも感心した。和風、ブラジル風に加え、沖縄風の家庭料理の持ち寄り皿が充実していて、ついつい食べ過ぎてしまった。何気ない一品の美味さは会員意識の高さを感じさせる。あのような〃お袋の味〃はレストランでは食べられない▼皿の上に載っているのは〃結果〃だけ。そこにたどり着くまでには、材料を見る目、段取り、手際よさ、決断などが必要で、上手に家庭料理をする行為自体が〃総合芸術〃のような部分がある▼あちこち歩き回る中で特に記憶に残っているのは、麺にしっかり焼き目をつけたピラール・ド・スル文協婦人部の焼きそば、沖縄県人会協和婦人会の沖縄そば、ソロカバ文協婦人部名物の餃子汁などなど。甘い物好きにはエスペランサ婦人会のみつ豆も堪えられない▼レジストロ文協は5月から毎月、婦人部会員が持ち回りで教える日本料理講座を開始し、地元一般市民も対称にした日本食普及を始めた。文協が食を通して日本文化を地元社会に普及する取り組みは賞賛に値する。純和風に拘らず、カレー、クリームシチュー、ハンバーグ、和風スパゲッティなど多彩な洋風和食も広めてほしい。(深)

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