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会場を彩った七夕飾り(宮城県人会提供)
会場を彩った七夕飾り(宮城県人会提供)

SC州都で初の日本祭り=七夕取り入れ文化発信=州政庁で120周年式典も

 サンタカタリーナ州のニッポ・カタリネンセ協会(篠原ロシャーナ会長)、ブラジル宮城県人会(中沢宏一会長)、在クリチーバ日本国総領事館(池田敏雄総領事)が共催し、『第1回日本祭り&七夕祭り』を3、4日、州都フロリアノーポリス市の州立歴史博物館で行なった。会場は1万人を越える来場者で賑わい、初開催を大成功で終えた。6日には州政庁で外交120周年記念式典も行なわれ、両行事に出席した梅田邦夫駐伯日本国大使も開催を喜んだ。

式典であいさつする梅田大使(左)。中央はコロンボ知事(州政府提供)

式典であいさつする梅田大使(左)。中央はコロンボ知事(州政府提供)

 前任の内山美生氏と池田現総領事による「各州都で日本祭り実現したい」という希望がきっかけで開催に至った。州政府のほかSC歴史博物館、SC州文化協会(FCC)、SC州日系団体連合会が後援した。
 旧知事公邸でもある会場内では太鼓や居合、合気道、歌謡ショーなどがステージを彩り、各種ワークショップも好評だった。これまでは州議会による『日本週間』のみだったが、篠原会長は「予想外の盛況に驚き」と喜んでいる。
 石巻若宮丸の漂流民による日本人初上陸(1803年)を契機に交流する宮城県人会は、七夕飾りを大中合わせ30本提供。移民事情に詳しい宮村秀光さんの協力を得て、若宮丸に関わる史実をまとめたバナー(120×80センチ)も計11枚展示した。
 中沢会長は「子ども連れの家族が多く、書道や折り紙などを体験する光景が印象的だった。七夕を通して日本文化に触れる意義深い祭典になった」と成功を喜び、「広くはない会場だったため屋台数が限られた。規模拡大に向け、そのあたりの調整が必要かもしれない」と話した。
 6日午前には州政庁で外交120周年を記念した式典が行なわれた。篠原会長ほかSC日系連合会の新里エリジオ義和会長や、ラージェス、クリチバーノス、フレイ・ロジェリオ各氏からも日系団体関係者が参加した。
 商議所の平田藤義事務局長や、州県友好提携35周年となる青森県人会の名和渋川幸子マリア副会長もサンパウロ市から訪れ、総勢100人を前にジョアン・ライムンド・コロンボ知事は「日系人の貢献がなければ我が州はこれほど豊かにはならなかった。近年には知事が3度訪日しており、州産豚肉の輸入解禁など成果が出ている」とあいさつ。青森県の三村申吾知事もメッセージを寄せた。
 同州ラーモス移住地とサンジョアキンも訪問した梅田大使は、「JICAを通じたりんご生産の協力など、農業始め各分野で日系人の貢献がある。経済関係の深化も期待している」と感想を述べた。


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 ブラジリアの公邸では現在、サンタカタリーナ州のサンジョアキン組合産のワインを使用しているようで、梅田邦夫大使は「今後も宣伝したい」と外交120周年式典であいさつしていた。また同州ラーモス移住地の和梨はルーラ前大統領もお気に入りだと聞く。規模は小さくとも、政府要人御用達とあってブラジル内での存在感はひときわ強い。日本祭りもそんな特産品を武器に展開できれば、もっと規模も拡大できるかも。

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