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危険と隣りあわせ

 ブラジルに10年以上住んでいて危険な目に遭ったことがない。本紙への研修生は洗礼のように来伯早々、強盗に遭う。何度も襲われるパターンもある。危ない雰囲気を感じたことは幾度かあるのだが、なんとなくかわして難を逃れている▼知人とそんな話をしていて、「でも危ない目によく遭いかけているよね」と言われて、そういえば―と思い当たった。最近だけで、ヒヤリとしたことが3回あった。一度はサントスからバスに乗って帰ったのだが、数日後、同じ路線でバス強盗があった。年の瀬だったのだが、渋滞で止まったバスが襲われたようだ。まあ、これは「ほう」と思う程度だった▼二度目はある晩、旅行から帰りベランダでホッとしていると、近くでパトカーが数台集まり、物々しい雰囲気。何かあったのかな、と思いつつ疲れもあり早々に床に就いたのだが、次の日にアパートの管理人に聞くと、日本食レストランで強盗があり、逃走した犯人と銃撃戦があったとのこと。これには「え~」となった。そのレストランにも何度か行ったし、銃撃戦で強盗が一人死んだ現場は、毎日歩いている▼つい先日リオに行ったさい、渋滞に辟易した。日本から来たソグラと一緒だったので避けたかったのだが、時間の節約―と地下鉄を何度か利用した。セントロ観光後に乗った、まさにその駅で翌日白昼、3人組の強盗に銃で撃たれて一人の犠牲者が出る事件があったこれには「…」▼たまたまとはいえるのだが、こういうことが続くとなかなかに恐い。危険が迫ってくる感じだ。気をつけようという気になることで、大丈夫だと言い聞かせている。(剛)

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