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静岡県人会は先駆者に敬意を表さないのか?

中前隆博在サンパウロ総領事、白石一資ノロエステ連合課長、梶原義教西本願寺総長ら錚々たる出席者の中、なぜか平野運平の出身地、静岡県人会の代表だけいない…

中前隆博在サンパウロ総領事、白石一資ノロエステ連合課長、梶原義教西本願寺総長ら錚々たる出席者の中、なぜか平野運平の出身地、静岡県人会の代表だけいない…

 上塚周平は「移民の父」、渡辺トミ・マルガリーダは「コロニアの聖母」と言われるように、平野運平は「祖人」と形容される。その人にしか使われない特別な説明語が着く人物は、移民史上ごく少ない。本当に敬愛される人物にだけ許された特権だ▼「祖人」を辞書で探しても出てこない、コロニア独自の言葉使いだ。「祖」は「開祖・教祖」という言葉に使われるように「一派を開いた人。物事のもと」(デジタル大辞泉)という意味。最初の植民地は「桂」の1913年だが日本の資本。移民が資金を持ち寄って始めたと言う意味で、平野植民地が「民間初」であり、呼びかけた平野が「祖人」だ▼同百周年式典を取材していて残念なことが一つあった。運平の故郷を代表する静岡県人会から誰も出席がなかったことだ。500人もの来場者がいて、聖市周辺からバスも出たのに、県人会からは誰一人こない▼先々週「県人会からバスを出さないのか」と杉本教雄(二世)会長に電話で尋ねた時、「元会長の後藤宗治さんの一周忌が1日にあるから、2日の平野式典には行けない。挨拶文は送るつもり」と言われ、ガッカリした。それが理由になるのか…。式典当日、開会直後に来賓が呼ばれた時、「静岡県人会代表」との声がむなしく何度か響き胸が痛くなった▼超多忙な総領事が駆けつけているのに、最も縁がある県人会代表が来ないのはチグハグだ。当地で最も有名な静岡県人、平野が命がけで作った植民地が百周年なのに…。だいたい後藤元会長自ら生前、ねじり鉢巻で取り組んでいた県人会記念誌発刊はどうなったか? 彼が生きていたら…。やはり歴史に対する意識の問題か。(深)

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