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戦後派と呼ばれて60年=イビウーナ 瀬尾正弘

 早いもので、コチア青年移民はブラジルに渡って今年で還暦を迎えた。戦後移民として1955年より12年間にわたって、日本全国より2500人が移住した。18~25才までの独身移民で、戦後育った若人なので、ブラジルの受入れ側ではアプレの傾向があると危惧されていた。予想どおり、当初は様々な話題を引き起こした。
 コチア移民は、コチア産業組合と日本の、全国農業協同組合中央会との提携により、コチア組合の後継者として呼び寄せられた。青年の多くはブラジルの大地の開拓者として羽撃こうと、大志を抱きやってきた。
 あれから長い年月をかけ、紆余曲折様々な困難を乗り越え、60年を迎えました。お陰で多くの仲間は、妻、子、孫に恵まれ、それぞれの分野で活躍しております。吾々の仲間は今もコチア青年と呼ばれていますが、平均年齢はほぼ80才の高齢となり、多くは年金生活となっております。
 さて、私どもは前述のとおり多くの家族をつくり、ブラジルでの初代先祖としての移住の目的もほぼ達成しました。しかしこれも顧みれば、それぞれの場所や時代で私どもを支援し導いて下さった人々や団体があったからです。これらの主要な人物や団体などは、コチア青年の恩人として心に留めるため、短い紙面では氏名のみを列記しておきたい。

 まずブラジルでは、コチア産業組合、そして下元健吉専務、井上忠志ゼルバージオ会長、山中弘移民課長と家族一同、上野成美はるの夫妻、古関ベルギース花嫁相談員、移民関係の役職員、コチア組合の各倉庫主任支部役職員、引受組合員、邦字新聞社、日系社会の諸団体等。
 日本では、荷見安全中会長、宮部一郎家の光元会長、宮城孝治元共栄火災社長、平川安全拓連会長、外務省、農林省の移住機関、国除協力事業団、全国都道府県、移住当守家族会、アルファインテル旅行社日ブ等々。省略書き落しは容赦願います。
 いよいよ来る9月20日、国士舘に於いてコチア青年移住60周年記念式典が開催されます。コチア青年の年齢から見て、仲間が合い集い楽しく語り合う最大のチャンスだと思います。前田会長ほか役職員一同その準備で大童です。遠近、多忙を問わず万障繰り合わせ、一人でも多く参加下さる様お待ちしております。
 幸いにも在サンパウロ総領事館、中前隆博総領事が名誉総裁としてご臨席下さりますので、より有意義で盛会な式典になると期待しております。
 末筆ながら、仲間の中で志半ばに逝去された方々に哀悼の意を表し、御霊に対しご冥福を祈ります。

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