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日本語教育=カンピーナス 鈴木マリア恵美子

 8月26日(水)付のニッケイ新聞「オーリャ!」を興味深く読ませていただきました。「ブラジル人の友人と日本語・葡語の交換授業…互いの母語を教えあう…」とありましたが、「母語は話せても教えられない」というのが、かなしい現実ではないのでしょうか。
 日本人でありながら、ブラジル人でありながら、どちらも母語の説明ができないのはフツーなんです。当然なんです。多いに可能だと思うのは「外国人同士が、相手の母語を使いコミュニケーションが成立するまで会話をする」ことでしょう。つまり、話しては訂正してもらい、話しては訂正してもらい、お互いに練習するのみでしょう。
 そしてブラジルに住んで葡語をイマ―ジョン状態において学ぶ事より、ブラジルに住んで日本語を外国語として学ぶ事の方が困難です。いずれの状態においても「なぜ?」「どうして?」などの質問には、それなりに答えられる準備を積み重ねている語学教師に任せることでしょうね。
 これらの質問に母語話者が答えられるのであれば、外国人のための日本語葡語教師、又はその養成は必要ないことになりますよね…。
 リタイヤを既にしていますが、日本語葡語教師をしていたころ悩みに悩んだわたしも一言、と思いペンを取りましたと書いたんですが、『ペンを取る』ではなくて『メールする』でしょう?と言われそうです…。
 そうなんです。言語は生きているとまでは言いませんが、新語や流行語などがどんどん表れ、常に変わっている事は一目瞭然!国際化によりどの言語も国境なしに広がり、iパッド、iポッド、iフォンによって国境を無視して勝手に広がっているようにも思えます。
 日本語学習の目的も多様化し、それにあわせた教授法を設定する時間もなく、本当の初心者でありながらも『でもは逆説?』『コスパ?』などの質問に追われるのが現在の状況です。
 簡単に答えれば、国語文法では『でも』は逆説の接続助詞ですが、学習者には簡単に『助詞です』と伝えればいいと思います。なぜかというと助詞は二つのもの(語彙や文)をつなぐ言葉であり、前後がなければ意味不明だからです。
 やさしい文章の例ですが、「テレビでもみよう」は「一回でもたべなさい」と同じで、二つの語彙をつないでいます。文末がどうのこうと言わずに、この場合のでもは単なる sugestão, proposta であり、テレビを「たとえば一回だけ」の意味でまとまります。
 「きれいでもたかい!」は「ブラジル人でもパウロさんは日本語が上手です」と同じで、二つの文をつなぎ逆説の接続助詞となり、「きれいだが…」又は「ブラジル人ですが…」の意味でまとまるのではないでしょうか。

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