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来賓者で記念撮影
来賓者で記念撮影

ピラチニンガ文協創立65周年=終戦直後インテリ学生ら設立=錚々たる二世羽ばたく

 ピラチニンガ文化体育協会(酒井清一会長)が「創立65周年記念式典」を先月28日、聖市ピニェイロス区の同会館で開催し、会員ら約120人が出席した。同文協は長年に渡り全伯陸上大会や水泳大会を主催し、日系社会の枠を飛び出してスポーツを振興してきたことで知られている。式典には最盛期を知る会員も参加し、昔話に花を咲かせた。

 同文協の歴史は、第2次大戦直後、勝ち負け抗争もあって日本人に対するイメージ悪化を危惧した二世のインテリ大学生らが集まったことに端を発する。聖市文協が現在60周年を祝っている通り、戦後最も早く創立した団体の一つで、最初から二世中心だったのが特徴といえる。
 創立時のメンバーには青年時代の植木茂彬元鉱山動力大臣、日系初のジャーナリストの翁長秀雄、日系初の聖州高等裁判事の渡部和夫、有名建築家の大竹ルイら、後にブラジル社会で活躍する錚々たる面々がいた。
 地方の同世代との連携や雑誌『ピラチニンガ』発行を通して二世アイデンティティの確立に大きく寄与した。一般社会との「スポーツを通じた親善」も目的にしていた。
 80年代は水泳最盛期で、伯国代表選手だった戸崎ケンイチ氏(故人)が同文協で指導にあたり、多くの選手を輩出し、年2種類の全伯水泳大会を主催してきた。
 81年から会長を務め、同水泳大会を運営面から支えた橋本フランシスコ豊さん(74、二世)は「首都やレシフェからも選手が集まり、非日系も入った大きな大会だった。〃ピラチニンガといえば水泳〃の時代もあった」と懐かしんだ。
 現在、水泳大会はなくなり一時はプールも使用不可能になっていたが、橋本さんの尽力により、4年前に復活し老若男女が利用している。
 陸上は全伯大会の主催を現在まで続け、かつてはブラジリアで開催したこともあった。例年400人が参加し、来年は第80回大会を迎える。
 初期から入会する酒井会長(87、二世)は「昔に比べれば活動の幅は狭くなったが、会館やプールを地域住民に利用してもらい喜ばれている。地味なことだが、こういう積み重ねから日伯を繋げたい」と「スポーツを通じた親善」を忘れていない。会館では剣道、居合道、バレーボールも行われ、日本語学校もあることから、非日系も多く利用している。
 中前隆博在聖総領事は式典で「スポーツを通じ、若者に礼儀や敬意を伝えることは何よりも大切。65年間続けてきたことに感謝したい」と挨拶、他にも羽藤ジョージ聖州議、野村アウレリオ聖市議が挨拶した。
 鏡割り、ケーキカット、会員が思い出を語るビデオの上映などが行われた後、食事を取り、会員同士が旧交を温めた。


□大耳小耳□関連コラム

 ピラチニンガ文協はピニェイロス区の地下鉄ファリア・リマ駅から徒歩何と2分――あまりの立地のよさに驚く。6年ほど前には企業が買収し、商業施設建設の計画があったのも頷ける、文句なしの一等地だ。古くからの会員に話を聞くと、交通量の多い、近くのファリア・リマ大通りも「昔は細いただのルアだった」そう。「高いビルはまったく無く、むしろ日系人の多い閑静な住宅地だった」とか。ルーラ政権時代の建設バブル期の儲け話に乗らず、着実に会館を守ってきたことに思わず感心。

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