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愛する人々の喪失と何もない幸せ

 仕事始めの4日、「元旦に友人を訪ねたら遺体と対面、一人暮らしで家族との連絡もとれず、孤独死だったため、警察も来る騒ぎだった」という話を聞いた。ヴィラ・アルピナで6日に葬式後、火葬に伏すと聞き、12月25日夜に召され、26日に同じ墓地で葬儀が行われた義妹の事を思い出した▼日本では12月31日にアパート火災の現場からカンポ・グランデ生まれの日系女性と別の女性の遺体が見つかり、元夫のペルー人が逮捕されるという事件も起きた。もう一人の遺体は女性の姉の可能性ありで、娘二人急逝の知らせを受けた母親は3歳と5歳になる孫を引き取りたいと話しているとも▼ミナス州マリアナ市のサマルコ社の鉱滓ダム決壊事故から丸2カ月。パリの同時多発テロでも多くの人が亡くなったが、愛する人や身近な人を失ったショックは容易には消えない。その時は何もないかの如く振舞った遺族達が、しばらくしてからウツになったり、自殺に至る例まである▼昨年亡くなったと聞き、病死だと思っていた方が交通事故死だったと知ったりすると、人の命のはかなさや一瞬先に何が起きるか分からない怖さも思う。一昨年5月に父親をガンで失った知人は、今年の賀状に「年頭に祝賀の挨拶のできない方に慰めがあるように」と書き添えていた。その言葉をそのまま、悲しみの中にいる人達に贈りたい▼近年にない不況でクリスマスや新年の祝いも規模縮小とぼやく人達もいるが、本当は、着る物や食べる物があり、家族や仲間と祝える事や無病息災がいかに大きな幸いかも知るべきだろう。新しい年の業務開始にあたり、読者の皆様も「恙無き」事を改めて願いたい。(み)

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