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絡んだ糸が次第に解ける

 22日敢行のラヴァ・ジャット作戦(LJ)第23弾後、「連警の捜査進展と共に、絡んだ糸が次第に解けて来た」との感が強まった▼新聞やTVの報道を通し、汚職に関与した疑惑企業や賄賂を流す人物、その金で私腹を肥やす人物などが、想像を超えた範囲で結びついている事が明らかになってくるのだ。ルーラ前大統領が再選を遂げた06年以降、3回の大統領選で労働者党(PT)の選挙参謀を務めたジョアン・サンタナ氏への疑惑が報じられた後、予想以上に早い時期に逮捕令状が出たのも驚きだった▼だが、連日の報道で、それ以前の捜査絡みで集めた送金記録などが「国外で受け取った未申告の金は外国での選挙支援報酬」というサンタナ氏の釈明を覆すとの記事を読み、連警や検察庁の捜査官の忍耐力と聡明さに改めて感服。それと共に、不正や汚職は「隠そうとしてもいつか明るみに出るものだ」とも思った▼メンサロンやLJは、これまでの常識を覆す大掛かりな汚職の実態を明らかにし、法の目を潜り抜けて来た政治家達にも裁きが下る事を明らかにした。真の意味の全容解明まで行くかは誰にも予想出来ない。だが、国民が重税に喘ぐ中、自分達の利益だけを追い求め、公金を着服するような政治家や企業に腹がたつ人、前、現大統領まで脅かすような捜査に拍手を送りたい人は多いに違いない▼これほどの大規模汚職が起きた理由やそれを許した体質解明も不可欠だし、政治家が捜査を妨害しないかも気にかかる。汚職関連企業の活動が止まり、失業した人や税収激減の自治体が増え、景気回復のめどさえ立たない中、解けた糸を紡ぎ、新たな布を織り成す人の出現も望まれる。(み)

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