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参院選在外選挙=全伯で1185人が投票=高齢化、漸減傾向止まらず=投票所数、手間を指摘する声も

 第24回参議院通常選挙が10日に開示され、与党大勝に終わった。新勢力は自公が145議席となり、改憲支持勢力を合算すると、憲法改正発議に必要な3分の2を占め、ねじれ国会が解消される格好だ。7月23日から10日間に渡って行われた在外選挙では、全伯在外選挙人登録者数約1万6000人中、投票所へ足を運んだのは、わずか7・4%に相当する1185人。2000年に始まった在外投票制度だが、有権者高齢化により漸減傾向にあるようだ。

 今回の参議院選挙では、全世界の在外選挙人名簿登録者数は10万5529人。ブラジルはうち約6・6%を占める。全伯の投票数はレシフェ、マナウスを除く6在外公館で減少し、前回参議院選より191票減となった。各館担当領事からは、その理由について在外選挙登録者の高齢化が挙げられた。
 特に、遠隔地に住んでいる人は投票所まで来るのが大変という。広大な管轄区に1カ所しか投票所がないという状況も、投票数の減少に拍車をかけているようだ。
 一方で、直接投票所へ行けない場合は郵送で投票するしかないが、用紙を日本から取り寄せて選挙管理委員会へ送り返す必要があるため、かなりの手間を要する。
 在聖総領事館管内では10年1500人から、13年944人、今回804人と3期連続減。担当領事は「4日間と投票期間が短い衆院選に比べれば、投票数は多い。でも今回、通常よりも1日選挙期間が長かったが人数減となった。高齢化による影響が票数減に拍車をかけているのでは」との見方を示した。
 一方、レシフェ領事事務所管内では、13年24人からほぼ倍増し42人となった。同事務所では、選挙権が18歳に引き下げられたことに伴って、年初から投票呼びかけを開始。担当領事は「文化協会のイベントなどで積極的に働きかけたことが投票数増に繋がったのでは」と分析する。
 だが「当地でも高齢化は深刻で、動けないから投票にはいけないとの声をよく耳にする。サルバドールにでも、もう一つ投票所ができれば、倍近くは票数が伸びるのだが」と票数増に結びつける難しさを語った。
 各館内の直接投票数は次の通り(カッコ内は前回の投票数)。▼在ブラジリア大使館46(48)▼在リオ総領事館76(90)▼在クリチバ総領事館64(83)▼在ベレン領事事務所78(92)▼在聖総領事館804(944)▼在レシフェ領事事務所42(24)▼在ポルト・アレグレ領事事務所36(59)▼在マナウス総領事館39(38)。

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