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終活とは「感謝して生きること」=西本願寺 久保開教使が講演

明るく質問に答える久保開教使

明るく質問に答える久保開教使

 米浄土真宗本願寺派(通称西本願寺)の久保光雲開教使による講演会が23日午後、サンパウロ市の広島文化センターで『極楽への旅路』と題した講演会を行なった。自身の仏教との出会いや、「極楽浄土」についてモジ本願寺の浄土絵を通して明るく語り、約100人が熱心に聞き入った。
 広島県生まれの久保開教使は、親戚には被爆者もおり、幼い頃から「いつかはみんな死ぬ」という不安があった。爆心地に近く平和活動に熱心な高校に在学した際には、「先輩たちの死の上に今の生活がある」と教えられていたという。
 京都の大学に入ってから、寺院や仏像と出会い仏教に興味を持った久保開教使。大学の先生が浄土真宗の僧侶であったこともあり、勉強を始めた。お寺に通う内に、小さい頃からの死に対する疑問や不安が解消されたという。
 京都では、仏具店で仏壇や襖に絵を書く仕事も経験した。当地でも6月末、落慶法要を行った新モジ本願寺のふすまと壁に浄土絵を描いた。「極楽浄土はここに書き切れないほど素晴らしいところで、一人一人に用意されている」と説明した。
 人生の〃終活〃については、「財産整理などではなく、行き先がお浄土である事をはっきりさせること」だという。「今が幸せという人もいるが、死はいつ来るか分からない。極楽浄土に行けることを知っていれば、今を思いっ切り生きることが出来る」と語り、「広島に生まれたことこそが私の力の源。自分に出来ることで平和を作っていきたい」と締めくくった。
 質疑応答で「お浄土の宿代や手土産は?」とユニークな質問をしたのは、大塚弥生さん(72、山口)。ご夫婦で約1時間前から一番乗りで来場、「終活」と久保開教使の話に興味があったという。「お金はいりません。仏様ありがとうと親しんでもらうことが一番」との答えに、満足な笑みを浮かべていた。


□関連コラム□大耳小耳

 久保開教使は講演会で、モジ本願寺の襖絵を描くに当り、実際に動物園でクジャクをスケッチしたり、絵の具や筆を日本から取り寄せるなどの苦労話も語った。デザインに3週間、実物大の下書きには2カ月もかかったという。クジャクをはじめ迦陵頻伽、オウム、舎利、共命鳥、白鵠という阿弥陀経に出てくる極楽にいる6種類の鳥と、日本の四季の花々で『極楽浄土』を表しているそう。モジ本願寺の襖絵を見ながら、『自分の極楽浄土』を想像してみるのも一興か。

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