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サントス強制立ち退き取材=松林監督「体験者はぜひ連絡を」

古い邦字紙を調査する松林監督

古い邦字紙を調査する松林監督

 映画監督の松林要樹さん(37、福岡県)が、大戦中に起きた日系人に対する最大の迫害、1943年7月の「サントス強制引き上げ」に関するドキュメンタリー映画を取材中で、被害者の証言を集めている。松林さんは12月まで滞在する予定で、「強制引き上げ体験者の生の声を、今のうちに記録しておきたい。ぜひ連絡を」と呼びかけている。
 サントス強制立ち退きは1943年7月、ドイツ潜水艦がサントス沖でブラジル商船を撃沈したことが発端。政治経済警察(DOPS)が敵性国移民を海岸部から24時間以内に強制立ち退きさせた。「枢軸国移民」が狙われたが、日本移民が6500人と圧倒的多数をしめ、続いてドイツ移民、イタリア移民はわずかだった。
 24時間以内だったので、土地や家財を処分する時間もなく、叩き売り同様に退去させられた人が多い。臨月の妊婦まで問答無用に移動させ、あまりに突然の命令だったので生き別れになった家族までいたという。
 松林監督は「今までに10人ぐらい聞いているが、もっと居るはず。なんとか移民110周年までに完成させたい」と意気込んでいる。体験者は監督まで連絡(電話11・99517・9185)を。
 初の監督作品「花と兵隊」(2009年)は田原総一朗ノンフィクション賞(奨励賞)受賞、山路ふみ子映画賞受賞。太平洋戦争が終わった後もビルマに残った未帰還兵6人に3年かけて取材した。現地に残って家庭を作った彼らの生の声をとらえた迫真のドキュメンタリーだ。

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