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「一世のため」創立の志今も=福音教会が50周年を祝う=日語と次世代継承に願い込め

ケーキカットする(左から順に)3代目から日野7代目までの歴代主任牧師ら

ケーキカットする(左から順に)3代目から日野7代目までの歴代主任牧師ら

 サンパウロ福音教会が設立から50周年を迎え、記念礼拝を18日午後、聖市パライーゾ区の同教会(Rua Tomas Carvalhal, 471)で行なった。「日本人在住者のため」という方針を今も基本に活動する教会が、創立半世紀の節目を迎えた。

 福音教会は1966年11月に登録され、67年1月に設立記念礼拝を行なった。日本から宗像基さんを初代主任牧師に招き、東洋街で歩みを始め、当初から移住者のための日本人教会として日本語を主体とした伝道に努めている。
 日系キリスト教連盟傘下の教会は80以上あるが、同教会は単立として近年50周年を迎えたルーテル(東洋街)、アライアンス(サンベルナルド・ド・カンポ)に並ぶ歴史を持つ。
 現在の会員数は客員含め40人程度で、一世の高齢化もあって平均年齢は70歳ほど。現在はトメアスー生まれの日野忍牧師(50、二世)が7代目を引き継ぐ。
 周年事業として、A5版約100ページの日語記念誌も刊行。当日は礼拝堂一杯に約80人が訪れ、祈祷や賛美歌で節目を祝福した。
 礼拝を終え夕食を兼ねた懇親会も開かれた。日系キリスト教連盟を代表してあいさつした青山薫牧師は、「日本人のための教会を連盟としても誇りに思う」と祝福。また日系初の主任牧師を務めた6代目の佐間サムエル牧師(74、二世)も登壇し、「昔と比べ今では非日系も交じるように。これも神の導きでしょう」と変化を話した。
 ケーキカットと乾杯で祝賀。設立時から携わる田名綱芳子さん(89、二世)は、「元々は別の教会に通っていたが、宗像さんの説教がより親しみやすく感じて通うようになった」と懐かしみ、今も変わらない温かい雰囲気に笑顔を見せた。
 記念行事を終え日野牧師は、「日本人教会という方針はなるべく崩したくない。でも世代交代も必要」と思いを語り、「これからも日伯をつなぐ教会として活動したい」と意欲的に語った。
 日本から4代目だった松本敏之牧師(58、兵庫)が駆けつけた。赴任した90年代はハイパーインフレのさなかとあって、「ナタル貯金を呼び掛けたが無意味だと大反対にあった」と笑顔で振り返る。移住者が減り教会は転換期を迎えるが、「一世以外の若者が運営の中心に増えてほしい。日本語は大切にしつつ世代交代してほしい」との願いを込めた。


□関連コラム□大耳小耳

「天国の1年は地上の千年に値する。天の価値観で考えれば、この世界はドングリの背比べである。才能、容姿など他人と比較しても、大きな意味はありません」。創立から半世紀を迎えたサンパウロ福音教会の4代目の松本敏之牧師が、こんな講話をした。「確かにそうかも」と思い、心持が軽くなったような気が。こうやって前向きな気持ちを与える日本人教会は、他国に移住した一世にとっても励みになったはず。

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