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 日本ブラジル中央協会(東京都港区)の機関紙『ブラジル特報』(編集人・岸和田仁)では最近、読み応えのある内容が目に見えて増えてきた。11月号では、巻頭言「小池都知事への勝手連のメッセージ」(和田昌親)として「リオ五輪から何を学ぶか」を提言は、「ハート(心)のバリアフリー(建物の段差などを取り除くこと)を」という味わい深い一言で締めくくられている。「いつになったら陽が当たるのか―日系芸能人の憂鬱」(アンジェロ・イシ)では、グローボの帯ドラマ「ソル・ナッセンテ」で日本移民役をイタリア系ブラジル人が演じたことに関する抱腹絶倒の論説。東京の要所や、当編集部でも無料配布中。同協会サイト(nipo-brasil.org/tokuho)ではバックナンバーを無料で見られる。
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 『ブラジル特報』11月号の「遺伝学者によるブラジル人種論の新展開」(岸和田仁)は特に俊逸。遺伝学者セルジオ・ダニロ・ペーナ教授の研究によれば、ブラジル人の父系遺伝子は主にヨーロッパ起源だが、母系はインディオ、アフリカ、ヨーロッパがほぼ3分の1ずつ。つまり「ブラジル人の標準」は、白人男性が、欧州系、アフリカ系、インディオ系の女性と均等に性的結合をした結果。同教授は、連邦政府の黒人枠政策(大学受験、公務員試験)に反対の立場。混血が進んでいるので「人種を決定するのは自己申告しかない」とし、「ブラジルに人種は存在しない。人種が存在するのは、社会的ないし文化的な文脈においてだ」と考えている。あまりに深い内容…。

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