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日本発スポーツを世界へ=楽しめる障害者競技を普及

重本さん、橋本さん、堀川さん、長峯さん

重本さん、橋本さん、堀川さん、長峯さん

 障害の有無に関らず万人が楽しめるスポーツ『卓球バレー』、『ふうせんバレー』の普及のため、日本卓球バレー連盟の堀川祐二副会長(59、岡山)、一般社団法人ふうせん遊び協会の橋本大佑理事(石川、37)が先月31日に来社した。
 2020年東京五輪開催に向け、100カ国以上で1千万人を対象にスポーツの価値を広めてゆく日本政府の国際貢献策『Sports for tomorrow』(明日のためのスポーツ)。それを受け、スポーツ庁所管の日本スポーツ振興協会センターの委託事業としてブラジルに訪れた両氏は、先月30日から8日にかけ、指導者講習会やデモンストレーションを行った。
 『卓球バレー』とは、椅子に座った6人一チームが台を囲み、3打以内にネットの下を転がして、相手コートへ返球する競技。一方、『風船バレー』は、弾みの良いまんまるに膨らむ特殊ゴムの風船をボールとみたて、チーム全員がタッチして相手コートへの返球するというもの。どちらも日本発の障害者向けスポーツだ。
 障害者向けスポーツの普及にあたっては、「国の義務として取り組まなければいけない状況。だが、行政も何をすべきか頭を抱えている」という現状があるという。
 「競争が入ると参加者を切り分けてしまい、万人への普及は難しくなる」と橋本さんは語り、そのなかでも「動きを制限することで、能力差が抑制され、どんな重度の人でも安全に楽しんでもらえる」と魅力を語る。
 5年連続でブラジルでの卓球バレーの普及にあたる堀川さんも、「楽しめることが第一。この競技はどこでも受けがいい。これを入口として、障害者スポーツが発展していきたい」と期待を膨らませる。
 昨年末には、普及の成果が結実し、聖市で「第1回卓球バレー大会」が行われ、40人近くが熱中した。
 今回は、ブラジル・アルゼンチン・パラグアイの三カ国を巡るという両氏。「現地のスポーツ関連省庁をはじめ、日系団体から多くの理解と支援を頂けている」として、「現地リーダーを育成し、いずれは三カ国で大会を開けるように連携強化できれば」と展望を語った。


□関連コラム□大耳小耳

 卓球バレーは、椅子に座った状態で腰を上げてはいけないという制限がある。視覚障害者も楽しめるよう、金属球入りのピン球や専用ラケットを用いることで、能力差が抑え、皆が楽しめる競技になっているという。さらに、全員が協力しなければ勝てないだけでなく、どんな重度の人でも活躍できるような工夫が凝らされている。社会復帰を促進するリハビリスポーツの現場では、新しいことに挑戦することの恐れや、仲間作りに不安を抱く人もいる。そんななか「自分の存在価値の発見に繋がり、集団のなかで他人を思いやるという模擬体験ができる」という。日系福祉施設や日系病院のリハビリ部門が主催してブラジル社会を巻き込んだ大会を開いたら一気に普及するかも?

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