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『衝撃』をもたらすかジャパン・ハウス

 JHの目玉である『竹』展示。一見地味かと思いきや、それを手掛けた造形作家に話を聞くと衝撃的なものだった。一人は竹細工職人でもう一人はなんと理工学者。切り口全く違うのだ。  六百本の竹を六方向に組み合わせただけで自立させ、放射線状に弾けるような目を引くオブジェを造形した日詰さんは、「線を交わらせる欧米的幾何学でなく、交わらずにしならせるという本来の丈夫さを利用したアジア的なもの」と語る。  「日本の美意識や考え方は、繊細で奥深く説明しづらい。それを理解するには時間を要すが、その時の衝撃は遥かに大きい」との総合プロデューサー原研哉さんの言葉が腑に落ちた気がした。  ただし、説明を聞けば「なるほど」と驚くが、一般観客にその機会がないことが気がかりだ。「以心伝心」の文化は当地にはない。「分かりやすさ」も大事な価値観だ。なんとか「日本式を分かりやすく伝える術」はないものか。(航)

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