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援協定期総会=厳しい不況下だが堅調に推移=今年の総予算4億6千レアル

総会の様子

総会の様子

 「サンパウロ日伯援護協会」並びに「日伯福祉援護協会」(共に与儀昭雄会長)は、先月29日援協ビル5階で定期評議委員会及び定期総会を開催した。16年度事業及び決算報告の討議と承認ならびに、17年度事業計画と予算の承認が行われほか、任期2年間の評議員が選出された。

 開会の挨拶で与儀会長は、「昨年は厳しい政治経済状況下にも関らず、不祥事や事故もなく概ね堅調に推移した」と回顧し、15年比で増収増益だったと報告。売上高合計は4億2777万5292レアルで、当期純利益は9356万8390レアルとなった。医療部門の好調な決算のおかげで、単体なら赤字の福祉事業が支えられてきた。

 医療事業では、通期で1千万レアルを設備投資し、手術センター拡張やトラウマセンターを含む医療設備の更新と拡張に務めた。屋台骨である医療部門が将来も好調な収益を上げるためには、設備投資は欠かせないとの考えに基づく、堅実な運営を行ってきた。

 福祉事業では、日本国際協力財団の資金援助プロジェクトにより改装された4つの高齢者介護施設では、入居者が増加し満室状態が続いている。今年8月には、日本財団の資金援助で増築工事が進められているイペランジャホームの収容人数が18人増となり、50人収容の介護施設となる見込みだ。

 そのほか、10周年を迎えた自閉症児療育施設は、サンパウロ州政府提携事業として着実に発展。先進的な治療法として高い評価を受け、現在では40人の自閉症児を受入れるまでに成長した。

 本年度は事業計画に6439万5200レアルの予算が組まれ、将来の需要と多様化に対応してゆく方針で、総予算は4億6001万1000レアルとなる見込み。

 終身評議員に就任した菊地義治元会長は、「大きな事業を行う援協は非常に注目される。日系社会だけでなく、ブラジル社会にも貢献してゆくことを肝に銘じて尽くしてゆかなければならない」として時流を見据えた組織体制作りを訴えた。

 8日に行われた臨時評議会で選出されたサンパウロ日伯援護協会の新役員は以下の通り。▼評議会会長=菊地義治▼同第一副会長=坂和三郎▼第二副会長=山下忠男▼第一書記=大原毅▼第二書記=興津政治

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