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《ブラジル》日本祭り=豪華な郷土食支えた県人会=工夫凝らして再活性化へ=「たくさん来てくれ嬉しい」

鹿児島県人会の皆さん

鹿児島県人会の皆さん

 ブラジル日本都道府県人会連合会主催の「第20回日本祭り」が7~9日にサンパウロ市で開催され、盛況のうちに幕を閉じた。今年も目玉となったのは、各県人会自慢の郷土食が味わえる「郷土食広場」だ。県人会を中心に53もの団体が出店。98年に「郷土食郷土芸能祭」として始まっただけに、今回も各団体とも料理やサービスに工夫を凝らし、来場者を喜ばせた。

 「昨年を上回る勢い。凄い行列で忙しい!」と嬉しい悲鳴を上げたのは、ブラジル鹿児島県人会の婦人らだ。昨年よりも増量したという地元名物「薩摩揚げ」と「かるかん饅頭」は、土曜日にはほぼ完売してしまった。
 米粉と山芋、卵白を練った皮に小豆をすり潰した餡子を包み蒸しあげ、一つ一つ丹誠込めて作られたお手製「かるかん饅頭」。当地の山芋では日本と同じ味が再現できず、里芋を加える等独自改良を重ねた一品だ。
 「昨年から若者が積極的に手伝ってくれるようになり、皆でわいわい楽しく準備しました」と平井真理子事務局長も微笑む。昨年の新会館購入で一挙に盛り上がり、青年部活動も活発化した。
 そんな若者の発案で、今年はパッケージ販売だけでなくバラ売りも開始。顧客が味見をしてから購入できるよう配慮した。包装には鹿児島県広報キャラクター「ぐりぶー」が載っており、手に取りやすい工夫が凝らされた。
 本場讃岐うどんを提供したブラジル香川県人会でも、多くの若者が裏方として汗を流した。祖母や母親に連れられ幼少期から県人会活動に参加し、現在青年部部長を務める渡辺貴彦さん(23、三世)は「うどんを食べるため来たという人も居るほど。そんな声を聞いて、役立つことに意義を感じる若者が手伝ってくれている」とさわやかな笑顔を浮かべた。
 香川から取り寄せたコシのある「加ト吉」の冷凍麺に加え、スープ粉末も輸入品。「郷土と変わらない本物の味」を再現した。5年前から麺を、2年前からはスープ粉末も輸入品に切り替え、売上が急増した。昨年より400食も多い3千食を準備した。
 菅原パウロ農夫男会長は「(金曜日は)例年より多かった。伯人も今では普通に日本食を食べるようになった」と笑みをこぼす。渡辺さんは「いずれは天ぷらの種類を豊富に取り揃え、冷やしうどんも提供したい」と見据え、「笑顔で暖かいうどんを提供し、来てくれたお客さんに身も心も温まってもらえれば」と精を出していた。
 「関西風お好み焼き」を提供したブラジル和歌山県人会は終日長い行列。約40人のボランティアが働き「和歌山! 和歌山!」と掛け声を上げ、祭りらしい賑やかなムードを盛り立てた。夫と来場したプリシーラ・ナバーホさんは日本祭りでお好み焼きを食べるのは3回目。「お好み焼きを売っているところは中々無いから年に一度の楽しみ」と話し、美味しそうにほおばった。
 ブラジル埼玉県人会はクレープとカレーパンを販売。尾﨑眞次会長が「会員が少ないので色んな人に手伝ってもらっている」と話す通り、ブースには日本からの留学生やJICAスタッフなど様々な人がボランティアで参加した。会計のチアゴ・ボンテンポさんは「埼玉出身の友人に誘われて手伝っている。他のスタッフと色々話せて良い経験になった」と疲れをにじませながらも充実した様子で話した。

 

□関連コラム□大耳小耳

 福島県人会は日本から輸入した「喜多方ラーメン」の麺とスープが届かないトラブルに見舞われたが、急きょ当地産の麺と手作りスープに切り替えて1千食を完売した。曽我部威事務局長は「初めはどうなるかと思ったが、売り切れて本当に良かった」と胸をなでおろす。例の麺とスープは、なんと同祭が終わった翌日に届いた。「賞味期限は9カ月ある。11月に喜多方ラーメン祭りを開催して、そこで販売する」とのこと。紆余曲折を経てついに当地入りした「喜多方ラーメン」。待たされた分、期待も高まる!?
     ◎
 山口県人会では「バリバリそば」を提供。ブースを取り仕切る品川ナンシーさん(28、三世)は3年前に県費研修で母県に滞在。同県人会では研修から帰国した青年がブースを手伝う決まりがあり、他にも若いボランティアが積極的に参加している。せかせかと働く品川さんは「想像以上に忙しい」と話し、「たくさん来てくれて嬉しい」と笑顔を見せた。県人会の多くは一世の高齢化で、ボランティア不足に悩まされている。同県人会は若者を取り込むことに成功しているモデルケースと言えるかも。
     ◎
 日本祭りのアリアンサ(日伯文化連盟)ブースでは、今年7月中旬に開校予定のピニェイロス校の宣伝をしていた。ブースには同校で8月に開始予定の芸術文化コースの名前が書かれ、奥の壁には日本の最先端技術が搭載された機械の名前や写真が紹介されていた。約800種の微生物が生ゴミを分解、肥料に変えてしまうゴミ処理機や、10秒でそば、ラーメン、パスタ、うどんの麺を作る業務用製麺機などなど。同ブース内にいた橋本秀吉さんによると、こういった日本の最新技術などについて同校でビデオ上映や講演会が行われる予定だそう。アリアンサの新しい試みに期待。

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