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《ブラジル》連邦政府が128億レを凍結予算から開放=告発受け、議員のご機嫌取り?

 連邦政府は22日、凍結していた今年度の予算から128億レアル分を開放すると発表した。23日付現地紙が報じている。これにより、450億レアルだった予算凍結額は、330億レアルに減ることになる。
 支出用途の具体的な内容は30日までに発表される予定だが、ジオゴ・オリヴェイラ企画相が会見で語ったところによると、「この先の数カ月でもっとも不安なのは保安部門で、教育や保健も同様だ」と語っている。また、経済活性化計画(PAC)にも優先的に回ると見られている。
 今回の開放額はテメル政権になってもっとも大きなものだが、予算開放の背景には、先日まで差し止められていた、ミナス・ジェライス州電力公社(CEMIG)所有の水力発電4カ所の民営化に伴う入札が実施可能となり、110億レアルが入ってくると見込まれていることがある。
 それに加え、8月の税収が政府の予想を超えたと報じられたことも後押ししている。8月の税収が増えたのは、滞納税回収計画(REFIS)により、州や市からの返金が増えたことや、金融機関の収益に関する税収が増えたことが原因だ。
 ジオゴ企画相は、「必要となれば」年末までに追加の開放を行う可能性についても言及した。今年の予算に関しては、基礎的財政収支の赤字上限を1390億レアルから1590億レアルへと200億レアル増やすことが、議会でも既に了承されている。
 また、このうちの10億レアル分は議員割り当て金として議会に回されることになっている、いわば必要経費だ。この費用は、政府側が法案を通したい際に議会への交渉費としても用いられるため、議員たちも予算の開放を歓迎している。
 とりわけ今回は、テメル大統領が連邦検察庁から2度目の告発を受けたばかりでもあり、この件でもかなりの金額が動くものと見られている。

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