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《ブラジル》移民作家中島さん=米国舞台の長編小説を発表=「グレート・プレーンズ」

作者の中島宏さん

作者の中島宏さん

 サンパウロ市在住の中島宏さんが3作目となる長編小説「グレート・プレーンズ―大平原の物語―」(上・中・下)を9月に発表した。それぞれ468、432、467頁。中島さんは2011年には「ブーゲンビリア―遥かなる大地―」(上・下)、2015年には「クリスト レイ―約束の地―」(同)を発刊。どちらもブラジルが舞台で、主人公は日本人移民の子孫。2年越しの新作「グレート―」の主人公はドイツ移民、米国西部の開拓時代が舞台となる。

 

 中島さんは1942年に中華人民共和国の天津市に生まれた。2年後に第2次大戦の戦況悪化のため愛知県一宮市に家族と共に帰国。56年にサンパウロ市へ起業移住した。当時13歳だった中島さんは初等教育から学び直し始めたそう。

 64年にアルヴァレス・ペンテアード商業高校を卒業。その後2年、米国各地を渡りながら就労経験を積み、日本でも親戚の企業に勤めた。帰国後は父の経営するグループ会社に入社。

 71年にマト・グロッソ州で畜産事業に従事、牧場開発や牛肉の品種改良などに携わる。88年以降、米国西部の牧畜事業の調査及び投資を行い、同時に畜産技術を学ぶ。01年、グループの総責任者に就任し現在に至る。

 中島さんは今作の着想を10年間の米国視察で得た。米国政府の農事関係者らと交流するなか、人種の多様性と父が持っていた開拓精神や経営哲学を彼らからも感じたそうだ。

 中島さんは「メールに住所を記入していただければ無料で発送します。興味のある方は連絡してください」と呼びかけた。問合せは中島さん(メール=nakashima164@gmail.com)まで。

 

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 中島さんは長編を発表する度に「体力がないと続かないのでは」と驚かれるそう。「書くのが早いので疲れると思ったことはない。下手の横好きのようなもの」と語った。もともと幼い頃から両親の言いつけで嫌々ながら日記を書いていた。ブラジルに移住してからは日本語を忘れないように自ら書き始めるようになったことを話し、「それが今に繋がっているのかも知れません」と微笑んだ。

 

     ◎

 「移民」を大きなテーマとして執筆している中島さんは「独系、伊系の所謂ガウーショはほぼ全国に農業開拓者として入った」と説明し、「面積や量的な面では日本人よりも農業に貢献している。開拓精神はこちらの方が強いのでは」と分析した。また、「日本人はある程度開拓を終えると都会に入る。今の日本人と繋がるところもあるのではないか。都会志向で集団主義、農耕民族である日本人の一つの特徴。このへんのことは次号(11月頃刊行予定)の西風にも書いてあります」とのこと。こちらも無料送付するそうなので、希望者は中島さんに連絡を。

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