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《ブラジル》テメル大統領に退院許可=カテーテル治療の予後順調

 テメル大統領が27日朝、サンパウロ市のシリオ・リバネス病院を退院し、昼前にはブラジリアに向かったと同日付現地紙サイトが報じた。
 大統領は24日夜、カテーテルを利用した心臓の血管治療(経皮的冠動脈形成術)を受けた。心臓科医のロベルト・カリル・フィーリョ氏によると、大統領は心臓の冠動脈3本がほぼ90%詰まり、心筋梗塞を起こす可能性が高まっていた。
 カテーテル治療は、胸腔や腹腔などの体腔、消化管や尿管などの管腔部または血管などに細いワイヤーと柔らかい管を挿入して行う治療法だ。テメル氏の場合は腕からカテーテルを挿入した。治療を必要とした冠動脈3本の内2本には、バルーンを使って狭窄した部分を広げると共に、ステントと呼ばれる金属製の網様の筒を挿入する措置がとられた。
 術後の経過は順調で、27日朝10時に退院許可が出た。大統領はサンパウロ市内の自宅に戻った後、午前11時半に大統領専用機に乗り込み、ブラジリアへの帰路についた。
 テメル氏の冠動脈に問題がある事は10月10日に報じられていた。その頃は、大統領と2閣僚に対する検察庁からの起訴を最高裁が審理するか否かを決める、下院での投票を待っている状態だったため、手術はその結果が出てからという事になった。
 カテーテル治療は11月に延期されたが、大統領は下院での審議当日の10月25日に排尿障害を起こし、ブラジリアの軍病院に数時間入院後、シリオ・リバネス病院に移送された。大統領はその2日後に泌尿器科の手術を受けており、24日には10月に受けた手術後の経過を確認するための診察も受けている。
 カリル医師は退院後の記者会見で、「大統領は同日の午後からは通常の活動に戻れる」と発表した。ただし、27日は公式業務は予定されていない。同医師は、1週間は通常より少し軽めの業務とした方が良いし、投薬や食事療法が必要との見解も明らかにした。
 大統領は、ブラジリアに向かう直前に、ツイッターで医師や支援者への感謝のメッセージを発している。

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