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「最古の芝居」狂言公演=ポ語交じりの台詞で大笑い

「昆布売」の一幕

「昆布売」の一幕

 狂言師の小笠原匡(ただし)さんと息子・弘晃さんが来日し、先月15、16の両日に文協大講堂で狂言公演を行なった。HISブラジル主催。上演はポ語交じりで行なわれ、狂言を初めて観た来場者も大いに楽しませた。
 匡さんが当地で公演を行なうのは2回目。15年に聖市のSESCピニェイロス劇場で初公演を行ない、好評を博した。
 公演の冒頭で匡さんは狂言について解説。「狂言は現存する最古の芝居。とはいえ固く考えず、喜劇なので面白いと思ったら思いっきり笑ってください」と話した。
 扇子を使って杯や刀などを表現する技術については、「見ている人に想像することを楽しんでもらうため実物を使わない」とし、扇子で酒を飲んだり、刀で切りつけるたりする動作を実演した。
 公演の曲目は袴狂言「盆山」と狂言「昆布売」。「盆山」はある男が屋敷に忍び込み、盆栽を盗もうとするが、主人に見つかってしまう話。必死で犬、猿、鯛の真似をして難を逃れようとする。
 「昆布売」では、大名に呼び止められた昆布売りが、刀を持つよう頼まれる。昆布売りは大名のわがままな態度に逆上し、持たされた太刀で大名を脅して昆布を売らせる。2曲とも、滑稽味のあるやり取りにポ語の台詞が織り交ぜられ、会場は終始笑いに包まれた。
 公演を終えた匡さんは「日本語が分からなくても理解できるように動作の多い曲目を選んだ。刀を使うなどして日本らしさを感じてほしかった」と言い、「反応がすごかった。楽しんでもらえたのでは」と手応えを語った。
 海外公演については、「日本人は眼鏡をかけて黒のスーツを着たサラリーマンがひたすらに真面目に働いているというイメージかもしれない。でも、実際はこんなユーモアな伝統文化を持っていることを知ってもらえれば、日本人のステレオタイプを変えられるのでは」と話した。
 来場したチアゴ・シュバさん(23)は4カ月前に日本語を勉強し始め、今公演に興味を持った。「古い言い回しで日本語は少ししか分からなかったけれど、ポ語を使っていたので楽しめた。日本の古典芸能を見るのは初めて。これからも色々見てみたい」と話した。


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 狂言師小笠原匡さんは、これまでに海外で多くの公演を成功させており、イタリアの大学で特別講師として教鞭をとったこともある。そんな匡さんが感じるのは、「日本人は狂言などの伝統芸能を難しく捉えすぎている」ということ。「日本人の中には意味が分からないと恥ずかしいと思っている方もいるが、海外の客は日本語が分からなくても、積極的に楽しもうとする雰囲気がある。オペラやミュージカルなど海外の公演を観るのと同じように楽しんでほしい」と話した。そのうち日本国内より、海外の方が人気が出る?

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