ブラジル地理統計院(IBGE)は10日、昨年の広範囲消費者物価指数(IPCA、ブラジルの公式インフレ指数)は2・95%だったと発表したと、同日付現地各サイトが報じた。
政府設定のインフレ目標は、4・5%±1・5%以内だったため、2・95%は最低目標の3%を下回る。これは1999年にインフレ目標が定められ始めて以来、初めてのことだ。
2・95%は、1998年に記録した1・65%に次ぐ低い数値だ。一昨年のIPCAは6・29%だった。
17年に上昇幅が大きかったものは、家庭用のガスボンベ(16%)や医療保険(13・53%)、保育所(13・23%)、通常のガス(11・04%)、上下水道(10・52%)などがあげられる。
17年のIPCAの急激な低下は、指数の算出においてもっとも比重の高い、食料や飲料品の価格が下がったことが原因だ。17年は作物の収穫高が前年比で3割も増えたため、食料品全体がマイナス1・87%とデフレを起こし、インフレ抑制要因となった。
特に、果物の価格は16・52%下がっており、その影響で、家庭内消費食物価格も4・85%低下した。
今年のインフレ目標は4・5%±1・5%で変わらないが、19年には4・25%±1・5%、20年には4%±1・5%へと変更される。ブラジル中銀が毎週発表している経済指標調査フォーカスの最新版では、今年のインフレ予想は3・95%だった。