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リオ市=直接統治の〃実験台〃で成果?=Vケネディから軍が撤回

ヴィラ・ケネディの様子(Salvador Scofano/GERJ)

ヴィラ・ケネディの様子(Salvador Scofano/GERJ)

 【既報関連】2月16日に始まったリオ州治安部門への直接統治で、「実験台」と目されるリオ市西部のファヴェーラ(スラム街)「ヴィラ・ケネディ」から軍が撤退すると20日付現地紙、サイトが報じた。
 ヴィラ・ケネディには当初、軍人1400人が派遣され、犯罪組織が作ったバリケードなどの障害物を取り除く作業などを行った。現在の活動の中心は、軍人300人が軍警と協力して行う巡邏活動だ。
 20日、陸軍東部司令部の報道担当官カルロス・フレデリコ・シネリ大佐が、今後2週間で同地区内の軍人を撤退させる方針を明らかにした。
 発表によると、同地区では車両の盗難や積み荷強盗の件数が減り、住民も治安回復を実感し始めているため、今後は軍人の数を減らし、軍警を増やしていくという。
 同大佐によると、ヴィラ・ケネディでの作戦第1段階は、住民や警察車両、サービス業者らの車が自由に出入りできるようにするための障害物除去だった。ただし、犯罪歴の有無を調べるために、住民や身分証明書を撮影する行為は物議を醸した。
 第2段階は、同地区内の治安維持警察部隊(UPP)の再生と社会活動で、軍警と共に行う巡邏活動は第3段階だ。いまの軍と軍警特別部隊による巡邏活動は昼間のみで、夜間の治安維持は軍警の管轄となっている。
 シネリ大佐によると、ヴィラ・ケネディで効果が実証された地域安定化の諸活動は、他の地区にも適用される。だが、軍の活動はそれだけに限定されず、必要があれば、他の地域にも兵士を派遣する準備があるという。今後の兵士を派遣する場所や任務は、諜報部が集めた情報や犯罪趨勢によるとの見解も示した。
 ブラガ・ネット執政官は19日、連邦議員らとの会合で、リオ州の治安関連費を正常な状態に戻すには31億レアルの予算が必要との見解を示した。メイレーレス財相は同日、給与支払時の免税措置終了に伴う税増収分を治安省の経費に当てると発表。テメル大統領は同州への10億レアル支援を約束した。

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