ボリビアのエヴォ・モラレス大統領は5日、ブラジルの最高裁が4日の審理で、2審判決で有罪となったルーラ元大統領に対して刑執行を逃れるための人身保護令を適用しなかった事に関して遺憾の意を表明した。
エヴォ大統領は、今回の決定は「(10月に行われる)大統領選にルーラ氏が再出馬するのを妨げるためだ」とし、ブラジル最高裁を批難した。
同じ左翼系の大統領でもあるエヴォ氏は、「ブラジルの右翼の人々は、ルーラ氏が全国3千万人にも及ぶ貧困層を救ったことが許せないのだろう」とも語った。
2006年からの長期にわたり、同国大統領を務めているエヴォ氏は、ベネズエラの故チャベス大統領やルーラ氏といった南米の左翼政権の信奉者として有名だ。とりわけ、2013年にチャベス氏が病死した際に、身内のように傍らにいたことは広く知られている。
2000年代には、ベネズエラをはじめ、ブラジル、ボリビア、アルゼンチン、ウルグアイ、チリ、エクアドルと次々に左翼政権が生まれ、その政治指導者たちの結束も強かった。
そのため、これらの国の大統領は、ルーラ氏や労働者党(PT)のスキャンダルが起こっても、ほとんどの場合、擁護に回るのが普通だ。
だが、ブラジル国内ではルーラ氏が収賄容疑で逮捕直前の状態に追い込まれているのに加え、現在は、ルーラ氏と蜜月関係にあったブラジルのゼネコン企業、オデブレヒト社が南米で賄賂をばら撒き続けていた問題が浮上中。その影響を受け、3月にはペルーの大統領だったパウロ・ペドロ・クジンスキー氏が議会から罷免される直前に辞任した。また、ベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領も同社からの収賄の証拠を検察に握られるなど、各国で激震が続いている。(5日付UOLサイトより)
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