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ストのツケを払わされるのは誰?

 トラック運転手のストが収束に向かい、30日付メディアは、市場にも青果類が入荷した様子などを流した。無論、昨日の今日で全ては解決できないし、鶏肉や豚肉の供給正常化には2カ月を要するという▼産業界でのスト被害は500億レアルと報じられたが、政府が提案した免税分は、財源が確保されていないから税制責任法違反との話もある。財務相は28日に「必要ならば増税も」と発言したが、29日に議会に呼び出され、増税を否定。ストの影響で税収も減った後に残された道は、予算削減などによる経費カット位しかない▼30日発表のダッタフォーリャ調査によれば、1500人の回答者の87%はストに賛同したが、同数の人が、政府が示した提案で恩恵を受けるのはトラック運転手や運送業界のみと考えている。ストによって被った被害やストの影響としては、53%が燃料不足を挙げたが、食料不足は余り感じていなかったようだ▼だが、ストの影響は本当に燃料不足だけなのだろうか。食料も含めた品々の供給が止まり、値上がりしたと感じた人は多かったはずだ。免税や公共支出削減で経済活動鈍化や税収減を招き、予算以上の財政赤字が生じたりすれば、国際的な信用失墜や投資減額なども起こりうる。そうなれば、経済活動の回復や雇用改善は更に遅れる▼失業率の上昇による所得減や購買力低下は景気後退期にも経験済みだが、今回のストは今後も続くインパクトを与えうる出来事だ。政治的な活動家らがスト収束を遅らせ、経済的な損失も大きくしたが、それらの責任は誰が負うのか。残念ながら、大きな目で見たツケは運送業界も含む国民皆が払わされるはずだ。(み)

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