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《ブラジル》「景気回復の18年」は期待はずれ=工業部門36%が危機深刻

 非政府組織の産業開発研究院(Iedi)発表の調査で、国内全工業部門の36%が今年上半期の生産量が「深刻」「芳しくない」と評価されたと4日付現地紙が報じている。

 Iediが「芳しくない」とするのは生産量が昨年比1~4%落ちた部門で、「深刻」は4~10%落ちた部門だ。

 特に悪いとされたのは「宝石、装飾小物」「ボイラー」「ニット製品」「玩具」「スポーツ用品」の製造業だった。

 Iediの主席エコノミスト、ラファエル・カジニン氏は、「『不況終了の16年、回復の17、18年』と期待する向きがあったが、多部門で回復ペース減退が見られる」と語る。

 地理統計院の調べでは、ブラジルの工業界は17年第4四半期に前年同期比で4・9%生産量が増えたが、今年第1四半期は3%増、第2四半期は1・7%増だった。

 カジニン氏は、「回復の減退は年明けから始まっていた。トラックストのせいには出来ない」と語る。17年下半期の工業生産量は16年上半期と比べて4・0%の増加だったが、今年の上半期は2・3%だった。

 リオ州の下着メーカーの社長オダイール・チエネ氏は、業績が芳しくないのは14年からで、4年余の間に、従業員も生産量も半分に減らしたとしている。

 応用経済調査院(Ipea)の経済調査員、レオナルド・カルヴァーリョ氏も、「昨年末までは『今年は景気回復ペースが強くなる』と期待されていたが、多くの部門で期待がはずれた。もちろん、景気回復過程の最後にくる雇用回復には程遠い」と語る。

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