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どうなる? 文化活性のためのルアネー法=ボウソナロ政権で美術館、博物館、興行に影響か?

 ジャイール・ボウソナロ次期大統領が就任した後に、どのような扱いになるかと注目されているものの中に、文化活性法「ルアネー法」がある。同法が2019年からどうなるか、心配する文化関係者や国民は少なくない。
 その理由のひとつは、ボウソナロ氏がすでに、文化省を廃止して、教育省、スポーツ省と合併すると発表しているためだ。これで文化関連事業への支出削減は避けられないと見られている。
 もうひとつの理由は、ブラジルの芸能人や文化人の大半が、極右のボウソナロ氏を批判していることだ。彼ら批判者の言動がマスコミに載るたびに、ボウソナロ氏の熱心な支持者らは、「ルアネー法に保護された偽善者どもめ」と決まり文句のように彼らを攻撃している。だが、芸能・文化関係者のボウソナロ氏への批判が今後も収まると見る向きは少なく、ボウソナロ氏が彼らへの報復に出るのではないかと思われている。実際、同氏はルアネー法の見直しを口にしている。
 このルアネー法は、ボウソナロ支持者が信じ込んでいる、芸能・文化関係者の支持者が多い左派の労働者党が作ったものではなく、1991年にコーロル大統領の時代に作られたものだ。
 このルアネー法を主体として動くブラジル政府の文化支出は年間平均で10億レアル台。この数字は、同政府の年間支出の1%にも満たない数字だ。
 だが、その少ない数字の中で、このルアネー法に、国の多くの美術館や博物館、劇場が依存しているのが現状だ。
 例えば、サンパウロの人気美術館ピナコテカ美術館は、運営費の40%をルアネー法からの支出に頼っている。また、サンパウロで公演中のディズニーの演劇「リトル・マーメイド」に至っては90%がルアネー法による支出だ。
 また、「ルアネー法の支出を受けている主要団体」を見ても、心配になる要素は少なくない。
 2017年で最も多く支援を受けたのは美術祭「サンパウロ・ビエンナーレ」の財団で1360万レアル。2位は、サンパウロの国際ロック・フェスティバル「ロラパルーザ」や英米のロック/ポップスの人気アーティストの招聘で知られるT4F社(1110万レアル)。3位がリオとサンパウロでの「オープン・テニス」の主催のD+3社(1千万レアル)。4位が先の「リトル・マーメイド」などを主催する演劇プロモーターのIMMライブ(960万レアル)。5位がサンパウロ交響楽団(940万レアル)。
 ルアネー法からの支出に影響が出ると、ブラジルでのエンターテイメントの興行にも影響が出かねないのが実情だ。(9日付フォーリャ紙より)

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